パラオの海と地球の歴史の生き証人
2017/03/09
ブログにテレビネタばかり書いているトラフィックの若尾です。
ある日、南太平洋の島国パラオのリゾートを紹介する番組を、いいなぁと思いながら見ていると、なんとそこに知った顔が!
現在、世界各地を旅している「#旅する60パンダ」のうちの1匹の名付け親、アサップさんの姿があったのです。
パラオの水族館で主任を務めるアサップさんにお会いしたのは今年の1月のこと。
早速連絡してみたら、なんでも飼育展示の為に、政府の許可を得てオウムガイを採集しているところへ、たまたま番組の取材班がやって来たということでした。
実はこのオウムガイ、昨年秋の第17回ワシントン条約締約国会議(CITES COP17)で全科が附属書Ⅱに掲載され、保護のために国際取引が規制されることが決まりました。
オウムガイやその製品は、米国や欧州、生息地である熱帯各地の国内市場で数多く取引され、それが減少を引き起こしている可能性があるためです。
私たちトラフィックも昨年発表した報告書「AN INVESTIGATION INTO THE TRADE OF NAUTILUS(オウムガイの取引調査)」の中で、特にインターネットを使った取引が増加していることを明らかにし、こうした問題が種の存続を脅かしていることを指摘しました。
オウムガイは成長が遅く、子孫を残すのにも時間がかかるため、過剰に捕獲されると、その影響を強く受けやすい動物だと考えられています。
数億年前からその姿を変えず、生きた化石とも呼ばれるオウムガイ。
私も日本の熱帯魚ショップで販売されているのを見たことがありますが、小さな水槽にたゆたう姿より、90本もあるという触手を操りながらパラオの青い海を泳ぐ姿の方が、ずっと素敵だと思いませんか?