この笑顔に会いたい!イシガキカエルウオ
2020/05/27
沖縄の石垣島より、サンゴ礁保護研究センター「しらほサンゴ村」の西田です。
突然ですが「イシガキカエルウオ」。
この名前を聞いて、どのような魚を思い浮かべるでしょうか?
カエルのように泳ぐ魚? 顔がカエルに似た魚?
いろいろな見立てができそうですが、英語の名前はこの魚の特徴をよく捉えています。
その名も「スマイリーブレニー」。
イシガキカエルウオは、ニョロっとした体形のギンポ(英名:ブレニー)という魚の一種なのですが、何より目を引くのは、その笑っているように見える顔!
海の中でこの表情に出会うと「今日はラッキー!」と思います。
さて、このかわいい表情のイシガキカエルウオ。
春頃の繁殖期になると、オスは顔から頭全体が黒っぽく、唇は黄色くぶ厚く変わり、慌ただしく動き回るようになります。
この色は、メスにアピールするための「婚姻色」。産卵の時期のサケが赤くなるのと同じです。
そして色の変わったオスは、メスを見つけると激しい息使いで夢中で追いかけまわします。
メスはいったん近づきますが、気に入らないとそれは足早に逃げるので、オスにはいつも声援を送りたくなります。
このイシガキカエルウオを石垣島の海で最後に目にしたのは、今年の1月。新型コロナウイルスが大きな問題になる前のことでした。
その後、島でも感染者が出たことを受け、海とはすっかりご無沙汰に。5月の連休も例年になく、人の少ない日が続きました。
寂しくはありますが、それでも南西諸島の海の豊かさが変わることはありません。
幸せをくれる笑顔に、また会える日を楽しみに。
小さなイシガキカエルウオたちが元気に生きる海を守っていけるよう、今できる活動を続けていきたいと思います。