胸が熱くなったウミガメの産卵とふ化脱出


こんにちは、沖縄の石垣島より「しらほサンゴ村」の西田です。
碧い海に囲まれた石垣島では、この夏気温35.8℃という観測史上初を記録する暑い空気に覆われています。

そんな中、ウミガメの産卵と子ガメのふ化脱出の調査に同行してきました。

石垣島ではアカウミガメ、アオウミガメ、タイマイの三種類が産卵しますが、この白保海岸は特にアカウミガメが多く産卵するようです。

カメの産卵。これはアオウミガメでした

ウミガメの寿命は人間と同じぐらいと言われていますが、その生態はまだまだ謎が多いのだとか。

「しらほサンゴ村」では、1994年から石垣島のウミガメ産卵調査をボランティアベースで行なっている「石垣島ウミガメ研究会」に今年度より支援を始めました。

このウミガメの調査は

  1. 産卵のための上陸跡探し。
  2. 上陸跡があれば卵探し。親ガメの産卵を確認する調査です。
  3. 脱出後産卵数確認。産卵巣を掘り上げ殻の数をカウントし産卵数や脱出率などの調査を行ないます。

カメの卵のカウントの様子(調査には許可が必要です)

この夏は、タイミングよく産卵も孵化の様子も見ることができました。

産卵の時には、親ガメの喉の奥から出る生の息を聴き、子ガメの孵化と脱出ではまだ目もとに砂がついた子ガメが海に行き着くまでを見守り、手足をバタバタさせて一生懸命に月明かりに光る水面へ向かう様子は、胸が熱くなるほどとても感動的でした。

白保海岸はサンゴの礫が多いため砂が荒い所が多く、車が浜をよく走るため砂が踏み固められたり、漂着ゴミも多いことなどが「親ガメの産卵、子ガメの降海」を困難にしています。

礫(サンゴの骨格のかたまり)が多い中、必死に海に向かう仔ガメ

私たちは、継続的にウミガメが産卵しやすい環境を整え海岸を守り、この産卵とふ化の感動を子どもたちに送り繋ぐことが大切ではないかと思いました。

関連情報

もうすぐ海です

この記事をシェアする

自然保護室
西田 成子

石垣島にあるサンゴ礁保護研究センター勤務

石垣島白保に住み、きれいな海でたくさんの魚と遊び朝夕は鳥の鳴き声にワクワクし、このままの自然を残していきたいと強く感じています。残っている自然を大切に今は目の前の小さなことから頑張っていこうと思っています。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

PAGE TOP