泥棒やスリより怖いもの


COP17の会場、南アフリカのダーバンより、温暖化担当の小西です。

今来ている南アフリカは、世界で最も犯罪発生率が高い国の一つだそうです。そのため、どのガイドブックにも「スリやひったくり、強盗に気をつけるように」と書いてあります。

でも、もっと気をつけねばならないものもあります。それは――

「この会場で、いくつ物を失くしたかわからない」長く温暖化の国際会議に関わっている人の中には、こういう人が少なくありません。

何から何までカバンに詰めて、広い会場内を会議室から会議室へ、1日中移動しながら仕事をしますから、コンピューターにUSBメモリーを差したまま忘れたり、会議室やレストランに資料を忘れたりということが、しょっちゅう起きるのです(私は今のところ、まだやったことありません←自慢)。

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人もいっぱい、物もいっぱい、情報もいっぱい、意見もいっぱいのCOP会場

会議場の遺失物取得場に行った人によれば、山のような落とし物であふれている様子に驚いたとのこと。

先日も、日本のNGO仲間が、 保安検査場で買ったばかりのカメラを失くしてしまいました。
幸い、保安検査場のスタッフが遺失物取扱所に届けてくれたので、彼女は無事にカメラと涙の再会を果たしました。ところが、喜びのあまり、今度はカメラを受領した際に職員に渡したIDカードを受け取り忘れてしまいました。IDがなければCOP17の会場に入れませんから、遠路ダーバンまで来た意味がなくなってしまいます。結局、このIDも職員が大切に保管してくれていたそうですが。

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COP17の遺失物取扱所

スリや泥棒に遭わなくとも、物はなくなります。悪い治安も怖いですが、自分自身がまず気をつけないと!残りの会議の期間、心してゆきたいと思います。

遅くなりましたが、COP17第一週目の報告がアップされました。今週はいよいよ閣僚級会合があります。会議の行方にもご注目ください!

 

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専門ディレクター(環境・エネルギー)
小西 雅子

博士(公共政策学・法政大)。米ハーバード大修士課程修了。気象予報士。昭和女子大学特命教授、京都大学院特任教授兼務。
中部日本放送アナウンサーなどを経て、2005 年に国際 NGO の WWF ジャパンへ。専門は国連における気候変動国際交渉及び国内外の環境・エネルギー政策。2002 年国際気象フェスティバル「気象キャスターグランプリ」受賞。環境省中央環境審議会委員なども務めている。著書『地球温暖化を解決したい―エネルギーをどう選ぶ?』(岩波書店 2021)など多数。

世界197か国が温暖化対策を実施する!と決意して2015年に国連で合意された「パリ協定」の成立には感動しました!今や温暖化対策の担い手は各国政府だけではなく、企業や自治体・投資家・それに市民です。「変わる世の中」を応援することが好きな小西です♪

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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