いつか両親の生まれた山へ 3頭の仔ヒョウが誕生
2016/06/22
※2023年6月26日をもって、WWFロシア(Vsemirnyi Fond Prirody)はWWFネットワークから離脱しました。
オリンピックの開催地として知られるロシアのソチから、嬉しいニュースが届きました。
ソチ国立公園内にある保護センターで、3頭のコーカサスヒョウの仔が生まれた、というものです。
ヒョウはアフリカからアジアにかけて広く分布しており、今のところ絶滅の危機はさほど高くありません。
しかし、各地域の亜種(種をさらに分けた分類)をみると、数が非常に減少している例が見られます。
たとえば、私たちWWFジャパンもその保護を直接支援している、極東ロシアのアムールヒョウ。
また、スリランカに生息するセイロンヒョウや、ジャワ島にいるジャワヒョウなども同様です。
西アジアのコーカサス山脈に生息するコーカサスヒョウもそうした亜種の一つで、乱獲や開発により激減。1960年代には一度、絶滅したともいわれました。
その後、再発見されたものの、現在も推定個体数はわずかに数十頭。
野生のままで守るのが最上ではありますが、それだけでは保護が難しいと判断されました。
そこで、WWFでは、ロシア科学アカデミーと協力し、このヒョウを人工飼育し、野生に戻す長期計画を立案。その実施に乗り出しました。
関係各国も国境を越えてこの希少な野生動物の保護に協力。今回も、山中でそれぞれ捕獲され、トルクメニスタンとイランからロシアに移された個体が、3頭の仔の両親となりました。
プロジェクトが良い形で継続できれば、いつかこの仔ヒョウたちが、コーカサスの山に返される日がくるでしょう。
もちろんそのためには、山の自然を豊かなまま守ってゆくことも必要です。
コーカサスのシンボルでもあるこの仔ヒョウたち。元気に大きくなってくれることを、日本からも祈りたいと思います。(広報室 三間)