鮭だけじゃない、日本の食とチリの海の関係
2024/11/28
11月11日は「鮭の日」ということで、日本のサケ(サーモン)の消費が、チリの海に支えられていることをご紹介しました。
鮭の日に考える日本の食とチリの海
サーモンは人気のシーフードの一つですが、「私はあまりサーモンを食べない」、「そもそもシーフードよりもお肉の方が好き」といった方もいらっしゃるかと思います。
そういった方にとっては、自分の食とチリの海とは関係ないと思われるかもしれませんが、気づかないところでつながっているかもしれません。
チリの海の豊かな生態系を支えているのは、アンチョベータ(ペルーカタクチイワシ)などの小魚。
チリイルカやマゼランペンギンなどの大切な食物になっています。
こうした小魚は、粉末状の魚粉(フィッシュミール)といった形に加工されて、日本にも輸出されています。
しかもチリは、日本の魚粉輸入量(2022年)の13%を占める、1位のペルーに次ぐ重要な国です。
そして輸入された魚粉は、養殖や畜産用の餌の原料、また農業用肥料の原料として使われていて、日本の食料生産を支えているのです。
しかしチリでは、小魚の過剰な漁獲や、ペンギンなど海の生きものが誤って漁網にかかり命を落とす「混獲」など、生態系への影響が心配されています。
私たちは、チリの生物多様性の豊かな海を守っていくためにも、この小魚の漁業をサステナブルにするための取り組みを進めています。
「私はあまりサーモンを食べない」、「そもそもシーフードよりもお肉の方が好き」といった方も、食でつながるチリの海での保全活動にぜひご関心をお持ちいただけると幸いです。(海洋水産グループ 吉田)