いよいよCOP22スタート!順調な滑り出し


温暖化・エネルギー担当の山岸です。

モロッコ・マラケシュでの国連気候変動会議・COP22がいよいよ始まりました。

初日の今日は、あいにくと早朝から雨。

しかも、昨日は、半袖で充分なくらいの暑さだったのに、今日はネクタイを締めたスーツでも寒いくらいでした。

初日ということで、まずは開会式および全体総会が開かれました。

COP22会場への入口の一つ

今回のCOP議長であるモロッコのメズアール外務大臣や条約事務局長などから、それぞれ開会に際してのスピーチがあり、セレモニーが執り行われたあと、議題の採択や各交渉グループからの声明へと流れていきました。

国連の気候変動会議では、実はこの「議題の採択」というのが結構クセモノで、対立が厳しいときは、ここで大きく時間をとられることも珍しくありません。

「どんなことを議論するのか」という話をする時点で、熾烈な交渉が既に始まっているからで、過去にも、極端な時はそれだけで1週間(!)かかったこともあります。

入場のための登録・バッジ受け取りに行く人たち

今回も、少し議論はありましたが、比較的スムーズな滑り出しを見せ、無事に議題は採択し終わりました。

多くの国々の発言の中で、「パリ協定の早期発効」を歓迎し、その勢いを大事にするべきだ、という発言が聞かれました。

今回のCOP22以降の会議の大きな役目は、昨年の「パリ協定」という大きな約束を、確実に実施に移していくための細かいルール作りを進めることです。

明日以降、いよいよ本格的な交渉へと移っていきます。私たちも、各国政府代表団との意見交換の申し込みなどを開始しました。

完全に出遅れる形になりましたが、ちょうど先ほど、衆議院本会議でパリ協定の批准が承認された日本政府にも、存在感の低下を挽回する積極的な活躍を見せてほしいところです。

交渉の模様についても、順次お伝えしていきます。

関連情報

現地より動画配信中!

COP22会場より、WWFジャパンのスタッフが現地の様子をお届けしています。

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自然保護室長(気候エネルギー・海洋水産・生物多様性・金融)
山岸 尚之

立命館大学国際関係学部に入学した1997年にCOP3(国連気候変動枠組条約第3回締約国会議)が京都で開催されたことがきっかけで気候変動問題をめぐる国際政治に関心を持つようになる。2001年3月に同大学を卒業後、9月より米ボストン大学大学院にて、国際関係論・環境政策の修士プログラムに入学。2003年5月に同修士号を取得。卒業後、WWFジャパンの気候変動担当オフィサーとして、政策提言・キャンペーン活動に携わるほか、国連気候変動会議に毎年参加し、国際的な提言活動を担当。2020年より自然保護室長。

京都議定書が採択されたときに、当地で学生だったことがきっかけでこの分野に関心をもち、大学院を経てWWFに。以来、気候変動(地球温暖化)という地球規模の問題の中で、NGOがどんな役割を果たせるのか、試行錯誤を重ねています。WWFの国際チームの中でやる仕事は、大変ですがやりがいを感じています。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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