温暖化の国際交渉と「ナスカ」の地上絵
2016/11/09
アフリカのモロッコ、マラケシュより温暖化担当の山岸です。
こちらで開かれている国連の気候変動会議COP22では、早くも「パリ協定」のルール作りに向けた国際交渉が始まっています。
その交渉を見守りつつ、私たちWWFでは、「パリ協定を実現させる非国家主体(ノン・ステイト・アクター)の役割」と題したサイドイベントを開催しました。
非政府主体とは、各国の自治体や企業、地域や市民団体などのこと。
197の各国政府が掲げる削減目標を積み上げても、パリ協定が掲げる目標に届かない中、今こうした非政府主体が担う温暖化防止の役割が注目されています。
このイベントには、新しくWWFの気候エネルギーリーダーに就任したマニュエル・プルガール=ビダルも登壇しました。
マニュエルは、ペルーの元環境大臣で、COP20(リマ会議)の議長も務め、パリ協定への道をつけた立役者として知られています。
そして、このCOP20の時、非国家主体の温暖化対策を推進するプラットフォームが構築されました。
その名も「ナスカ」。ペルーが誇る地上絵にちなんだ呼び名です。
現在、ナスカには、世界の2508の自治体、209の地域、2138の企業、479の投資機関、238の市民団体などが参加。
それぞれが自らの目標を登録しています。
中には国家よりはるかに意欲的な削減目標を掲げる非国家主体も少なくありません。
「パリ協定」が掲げる目標の地平に到達するには、さながら地上絵のように、さまざまな姿形での広がりを見せる、非国家主体の参加が必要とされているのです。
国際交渉の場であるCOP22の主役は、あくまで議決権を持つ各国政府ですが、こうした政府外の動きもまた、交渉を加速させる大きな力になります。
私たちWWFもそうした力の一つとして、会議への働きかけを続けてゆきたいと思います。
関連情報
現地より動画配信中!
COP22会場より、WWFジャパンのスタッフが現地の様子をお届けしています。