「パリ協定」が拓く未来
2016/11/12
アフリカのモロッコ、マラケシュより温暖化担当の小西です。
こちらで今開かれている国連の気候変動会議COP22会場は、会議場のあるブルーゾーンと、展示場のあるグリーンゾーンで構成されています。
このグリーンゾーンは市民団体や企業などが展示を行なっているエリアで、連日、多くのマラケシュ市民で賑わっています。
特に目立つのは、洗練された産業界の展示。
エネルギー機器メーカーやエネルギー事業者、銀行などの投資機関などが出展しており、いたるところでセミナーも開催されています。
まるで産業見本市、あるいは再エネ博覧会といってもいいでしょうか。
私も長年、国連の温暖化会議に参加してきましたが、このような光景は初めてです。
二酸化炭素の排出をゼロにすることを目指す、世界の合意「パリ協定」。
それは、石油や石炭などの化石燃料に頼らない、新しい経済システムへの移行を告げました。
この事実は同時に、産業界にとって、温暖化対策がもはや社会貢献ではなく、大きなビジネスチャンスになったことを意味します。
会議場に戻ると、アメリカ大統領選の結果を受けた投資機関グループの記者会見やサイドイベントで、次のようなメッセージが発せられていました。
「気候変動のリスクは、投資のリスクでもある。投資機関がそのリスクを回避し、持続可能であり続けるには、エネルギー転換への投資が不可欠だ。誰が大統領になろうと、この潮流を変えることはできない」
再生可能エネルギーを主流とした、脱炭素経済というゴールに向けて、世界は走り出しています。
関連情報
現地より動画配信中!
COP22会場より、WWFジャパンのスタッフが現地の様子をお届けしています。