「パリ協定」第一回会議が開会!温暖化のない未来に向けて
2016/11/16
アフリカのモロッコ、マラケシュより温暖化担当の小西です。
今世紀末までに、温室効果ガスの排出をゼロにすることを世界が約束した「パリ協定」。
その記念すべき第1回目の締約国会合(CMA1)が、ここマラケシュで11月15日の午後1時に開会しました。
すでにパリ協定を批准した国は110か国を数え、その排出量の合計は、世界全体の約70%に達しています。
長く、険しい国際交渉の末に成立したパリ協定でしたが、その後は各国の努力により、驚きの早さで発効。
その3日後、開幕したマラケシュでの国連気候変動会議COP22は、パリ協定誕生の勢いをそのままに、ルールづくりを順調にスタートさせました。
成立から発効までに7年の歳月を要した京都議定書に比べると、異例のスピードで実現した発効の背景には、世界中で深刻化する温暖化の脅威がありました。
そしてもう一つ、太陽光や風力といった再生可能エネルギーに支えられた、新しい未来をめざすレースに乗り遅れまいとする、各国の意思があったといっていいでしょう。
それは、世界が自らの意思で選択した新しい産業革命なのです。
これからは、パリ協定のもと、すべての国が、温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするまで、5年ごとに削減目標を強化していくことになります。
その初めての会議となるCMA1の開会式で、フランスのオランド大統領は、パリ協定成立に貢献したオバマ大統領の功績を讃えた上で、「アメリカもパリ協定を尊重し、気候変動の被害から国民を守らなければならない。フランスはパリ協定を批准した100か国の代表として、新大統領と話し合う準備がある」と発言。会場からは大きな拍手が起こりました。
世界はもう再生可能エネルギー100%の未来に向けて動き出しています。
世界の首脳陣には、この潮流を止めることではなく、いっそう加速させ、拡大することが求められています。
関連情報
現地より動画配信中!
COP22会場より、WWFジャパンのスタッフが現地の様子をお届けしています。