COP22の成果として期待される2018年「促進的対話」の実現
2016/11/18
国連の気候変動会議COP22が開かれている、アフリカのモロッコ、マラケシュより温暖化担当の山岸です。
2週間続いたCOP22の会期も、残りわずかとなりました。
各国による交渉が大詰めを迎える中、11月17日に日本は「化石賞」を受賞しました。
化石賞は、WWFを含む世界の1100の団体が参加するCANインターナショナルが、温暖化対策に消極的な国に与える不名誉な賞です。
今回、日本は、温暖化を深刻化させる石炭火力発電所を国内で増設しているとして1位を、さらにその石炭火力の技術を海外にも輸出していることで2位を、ダブル受賞しました。
すでに日本政府は「2030年までに2013年比で、温室効果ガスの排出を26%削減する」という目標を国連に提出しています。
しかしこの目標は、パリ協定が掲げる「世界の平均気温の上昇を2~1.5度以下に抑える」という長期目標を実現するには不十分。
しかも、現在日本が計画している石炭火力発電所がすべて建設されれば、この不十分な目標さえ達成があやぶまれます。
化石賞は、世界のNGOがこうした日本の姿勢の見直しを求めた一つの形として贈られました。
パリ協定は、日本を含む各国政府が、こうした自国の排出削減目標を5年ごとに見直し、引き上げるべきことを定めています。
この「5年ごと」をいつから始めるのか。
私たちはその最初の機会として、2018年に「促進的対話」を行ない、定期的な見直しを開始するべきと考えています。
この「促進的対話」は、昨年のパリ会議(COP21)で、私たちNGOの求めに応じ、決定されました。
今回のCOP22でも、NGOの後押しもあって、その具体化が決定事項に入れられる見込みの「促進的対話」。
決定すれば、それはパリ協定のルール策定開始と並ぶ、COP22の大きな成果の一つとなるものです。
最終日の明日に判明する、会議での決議に注目したいと思います。
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COP22会場より、WWFジャパンのスタッフが現地の様子をお届けしています。