海を守って生まれたASCカキが社員食堂に
2019/04/23
「サステナブル・シーフード(持続可能な水産物)」という言葉をご存知でしょうか?
海の自然や生きものに配慮して生産された、魚や貝などのシーフードのことです。
このサステナブル・シーフードが昨年3月、日本企業の社員食堂で初めて提供されました。
提供を始めたのはパナソニック株式会社。
その後の1年間、同社では提供する社員食堂を12カ所まで増やすことに努め、今年3月にはパナソニック東京汐留ビルの社員食堂でも、サステナブル・シーフードを使ったメニューが提供され始めました。
登場した新メニューはカキフライ。
使われているカキは、養殖版・海のエコラベル「ASC認証」を日本で初めて取得した、宮城県南三陸町戸倉の海の名産品です。
このASC認証カキは、東日本大震災で被災した戸倉の漁業者の皆さんが、海の環境保全と漁業の両立を目指した震災復興の中で生み出したサステナブル・シーフードです。
私たちWWFジャパンも「暮らしと自然の復興プロジェクト」で、その取り組みを支援。そしてパナソニック株式会社も、2014年から、このプロジェクトへのご寄付を通じて、海の環境に配慮した地域の養殖業を応援してきました。
その生産者が育てたカキが今回、東京と大阪の社員食堂で、提供されることになったのです。
こうした形で、サステナブル・シーフードを選び、消費することも、持続可能な漁業を支える大きな力になります。
海という生産の現場から、食堂という消費の現場まで、2つをつなぎ、支えてきた、たくさんの方々の思いを、私もジューシーなカキフライを食べながら感じることができました。
今や他の企業にも広がり始めたこの取り組みを、私たちも促進してゆきたいと思います。(自然保護室 滝本)