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海を守って生まれたASCカキが社員食堂に


「サステナブル・シーフード(持続可能な水産物)」という言葉をご存知でしょうか?
海の自然や生きものに配慮して生産された、魚や貝などのシーフードのことです。

このサステナブル・シーフードが昨年3月、日本企業の社員食堂で初めて提供されました。

提供を始めたのはパナソニック株式会社。
その後の1年間、同社では提供する社員食堂を12カ所まで増やすことに努め、今年3月にはパナソニック東京汐留ビルの社員食堂でも、サステナブル・シーフードを使ったメニューが提供され始めました。

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3月8日、同社12拠点めの社員食堂として、パナソニック東京汐留ビルにて、サステナブル・シーフードであるASC認証のカキの提供が開始されました。

登場した新メニューはカキフライ。
使われているカキは、養殖版・海のエコラベル「ASC認証」を日本で初めて取得した、宮城県南三陸町戸倉の海の名産品です。

このASC認証カキは、東日本大震災で被災した戸倉の漁業者の皆さんが、海の環境保全と漁業の両立を目指した震災復興の中で生み出したサステナブル・シーフードです。

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「ASC認証」のラベルは、自然環境や労働者・地域社会に配慮した養殖業で育てられた水産物にのみ付けられる、国際基準のエコラベルです。

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南三陸戸倉のASC認証の海。この海で育った戸倉っこカキが社員食堂へ。

私たちWWFジャパンも「暮らしと自然の復興プロジェクト」で、その取り組みを支援。そしてパナソニック株式会社も、2014年から、このプロジェクトへのご寄付を通じて、海の環境に配慮した地域の養殖業を応援してきました。

その生産者が育てたカキが今回、東京と大阪の社員食堂で、提供されることになったのです。

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3月29日、汐留に続き、大阪の門真本社の社員食堂でも、ASC認証のカキを使ったメニューの提供が始まりました。この日、社員食堂利用者の約半数49.2%が、カキフライメニューを選択してくれました。ASC認証は、消費者が海の保全へ貢献できるしくみです。

こうした形で、サステナブル・シーフードを選び、消費することも、持続可能な漁業を支える大きな力になります。

海という生産の現場から、食堂という消費の現場まで、2つをつなぎ、支えてきた、たくさんの方々の思いを、私もジューシーなカキフライを食べながら感じることができました。

今や他の企業にも広がり始めたこの取り組みを、私たちも促進してゆきたいと思います。(自然保護室 滝本)

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自然保護室(海洋水産)
滝本 麻耶

デンマーク オーフス大学政治学科留学、慶應義塾大学法学部政治学科卒(法学士)、ドイツ アルベルト・ルートヴィヒ大学フライブルク大学院環境ガバナンス修士号取得。
大学・大学院にて、環境政策・環境ガバナンスについて学び、編集者、環境コンサルタントを経て、サイエンス・コミュニケーションの経験を積む。2017年WWFジャパンに入局。海洋水産グループにおいて、海洋環境保全や水産資源保護に向けて、消費の側面にフォーカスしたパブリックアウトリーチの取組みを行っている。

子どもの頃、ケージ飼いの養鶏場を見たことがきっかけで、自分が食べるもののこと、そして、自分がどんな世界・社会で生きたいんだろうと考え始め、環境哲学、環境政策、政治のことを学びました。大事にしているのは、大きく早く多くなるだけでなく、小さく遅く少なくなる「発展」もあるという考え方。この考え方をベースに、自分が生きたい環境がなくなってしまわないよう、頑張ります。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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