真夏の夜の動物園から、野生のゾウに思いを馳せて
2017/08/19
先週の8月12日は世界中でゾウの保護を呼びかける「世界ゾウの日」でした。
この日の夜、東京の恩賜上野動物園で、アジアゾウの飼育係さんとWWFジャパンのスタッフによるトークイベントが実施されました。
動物園と、自然保護のフィールド、異なる2つの現場でゾウに関わる二人の熱い話が進むにつれて、聞いている皆さんの眼差しも、どんどん真剣になってゆきます。
中でも、日本での日常生活と、野生のゾウとの深い関係が話題に上がりました。
インドネシアのスマトラ島では、人の住む村や畑にスマトラゾウが出没し、殺されてしまう問題が起きています。
一番の原因は、普段何気なく使用している紙の原料となるアカシアや、パーム油を採るためのアブラヤシを植えるため、ゾウのすみかである森が失われていること。
パーム油は世界で一番使われている植物油。
私たちの暮らしの中でも、食品をはじめ洗剤や化粧品など、パーム油に由来する製品がたくさんあります。
そして知らない間に、森を破壊する形で生産された製品を手にしていることがあるのです。
私たちとゾウが共に歩んでゆくためには、どうしたらいいのでしょうか?という問いが残ります。
そこで、紙やパーム油を使わない!という選択肢を選ばなくても、森を守りながら作られた製品につくエコラベルを選ぶことで、ゾウの保護に貢献できることが紹介されました。
他にも、WWFのスタッフが現場に携わる中で、ゾウの死に直面したエピソードや、アジアゾウの飼育を担当して10年目になる飼育係さんが持つゾウを守りたいという強い思いが、心に響く瞬間がたくさんありました。
ゾウを守るため、日本の私たちにできることを皆で考える夜となりました。