オキナワトゲネズミ調査行


自然保護室の安村です。
沖縄島北部に広がる亜熱帯の森「やんばる」で行なわれた、オキナワトゲネズミの調査に行ってきました。

調査の中心になってくださったのは、森林総合研究所の山田文雄さんら。この調査は2007年から始められましたが、今回も無事終わり、捕獲に立ち会うことが出来ました。

オキナワトゲネズミは、世界中でこの「やんばる」の森にしか生息していない、日本固有の野生動物の一種です。天然記念物のヤンバルクイナやノグチゲラなどと同じく、この場所の貴重な自然を象徴する生きものであり、絶滅が心配されている種でもあります。

今回の調査でも、オキナワトゲネズミが確実に生息していることを確認することができましたが、同時に危機も高まっていることが分かりました。

野生化したネコやイヌ(ノネコ、ノイヌ)などの外来生物が、生息地の中心と考えられる森にいることが確認されたのです。

さらに、オキナワトゲネズミの生息していると考えられる場所が、非常に狭く、限られていることも分かってきました。

外来生物への対応と共に、森の保全を進めてゆかなければ、オキナワトゲネズミは本当に姿を消してしまうかもしれません。

今回の調査を行なってくださった研究者の方々に協力しながら、私たちも保護を進めてゆきたいと思っています。
現地での様子などを撮った動画などもありますので、また後日詳しい報告と共に、お知らせいたします。

 

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今回の調査で捕獲したオキナワトゲネズミ。計測後、森に放しました。おどかしてごめんね!

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自然保護室長(淡水・リーダー開発・PSP)
安村 茂樹

修士(生物化学・早稲田大学)
サンゴ礁センター駐在時に地域住民主体の環境調査を立ち上げ(現在も石垣島、久米島で継続中)。南西諸島域にて、多分野の研究者と協働した野生生物有害化学物質汚染調査、生物多様性評価調査を指揮。GIS手法を用いた保全重要域図は生物多様性条約で示されたEBSAに、野外調査ではオキナワトゲネズミ再発見や久米島沖のサンゴ大群集発見に寄与。UNEP/GEF黄海プロジェクトと連携した日中韓湿地保全活動をリードし、2020年より緊急支援や淡水・教育活動に関わる部門を統括。

沖縄のサンゴ礁と森、中国・韓国の干潟の保全に従事。国際会議でサイドイベント主催やロビー活動をする機会をいただきました。国際、環境、NGO-この3ワードが合わさるWWFで、何をすべきか考え、その仕事の醍醐味を実感し、行動する。そんな機会を一人でも多くのスタッフに提供したいです。晴れの日に気が向いたら、自転車で通勤し、休みは、川でカヌー漕いでいます。

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WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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