緊張!スマトラ島、製紙企業の操業地
2012/01/07
こんにちは。森林担当の古澤です。
去年のことになりますが、世界で一番、森林減少のスピードが速いと言われるインドネシアのスマトラ島で、森がかろうじて残っている自然保護区に行ってきました。
その保護区に行くために、隣接する製紙企業の伐採現場(操業地)を通り抜けようとした時のこと。セキュリティが私たちの車を警戒し、ずっと後を付けてきていました。ちょっとでも車を止めると、すぐに「何をしてる?」と言いに来る… 何も悪いことはしていないのですが、とても緊張しました。
実はその場所、昨年の夏に操業の様子が、「森林破壊」として海外の報道番組で取り上げられたことなどを受け、ある日本の大手企業がその製紙企業との取引停止を発表したところなんです。
そんな経緯もあってか、企業側は部外者やメディアの現地への立ち入りに、かなり神経質になっている様子でした。
他にも、製紙企業が、自然破壊のイメージを払拭しようと躍起になっている例があります。
昨年の終わり、スマトラ島で活動するNGO「アイズ・オン・ザ・フォレスト」は、大手製紙企業APP社に関する新しい報告書を発表しました。同社が環境保全への貢献を自己PRする「環境広告」の裏側を明かしたものです。
紙や木材は私たちにとって必要なものですが、周囲に暮らす人々や生き物たちの生活を支える森林の環境への配慮が十分でない製品は、やはり問題です。
でも、消費者や取り扱う企業のニーズや行動が変われば、そうした問題のある製品を市場から締め出し、森を守ることができます。
企業や市場に変化をもたらすためには、大きなパワーが必要です!現状を懸命に発信している、現場のスタッフたちと協力しながら、一社でも多くこの問題に関心を持ち、行動を起こしてくれる人が増えるよう、活動を続けたいと思います。