「豊かさ」の指標を、GDPからHDI、EFへ
2012/11/16
企画調整室の清野です。
今、事務局では、日本の消費がどのように世界の環境に負荷をかけているかを示す、日本版「エコロジカル・フットプリント」の発表に向けた取り組みを行なっています。
1961年から2008年までのエネルギーや食料の消費など、国内のさまざまなデータを基にしており、日本が今後、「持続可能」な社会づくりに向けて、どのような取り組みに注力するべきなのか、その方向性を示しています。
たとえば、消費についての日本の大きな特徴の一つに「食料」があります。
まず目立つのは、廃棄している食料の量の多さ。さらに、消費している食料の四分の三は、海外からの輸入に頼ったものであることです。
一方で、食料供給カロリーは適切量であることも分かりました。
それでも、日本人の暮らしを世界中の人たちがするようになったら、地球一個分の生産力では足りないことも、このレポートは指摘しています。
こうした環境の厳しい現状の中で、私たちWWFが実現したいと考えていることは、世界の「豊かさ」の指標を、経済的な側面だけを見るGDP(国内総生産)から、人の暮らしの質を問うHDI(人間開発指数)とEF(エコロジカル・フットプリント)に切り替えてゆくこと。
なぜなら、環境の価値や、その考え方を変えてゆくことこそが、新しい未来をつくるカギになるからです。
そうした側面をふまえたこのレポートは、日本が持続可能な国として発展し得る「可能性」を、しっかり示すものでもあるのです。
くわしくは、この12月に発表予定の日本版「エコロジカル・フットプリント」をご覧になってみてください。ぜひお楽しみに。