野生動物たちを守る「アニマルパスウェイ」の10年
2013/12/08
先日、東京の経団連会館で開かれた「アニマルパスウェイ10周年記念 シンポジウム 広げよう「野生動物の歩道橋」コリドーで繋ぐ森と命」に参加してきました。
アニマルパスウェイとは、道路建設などで分断された野生動物の生息域をつなぐもので、自然環境の「つながり」を保持し、野生動物を交通事故から守る役目なども果たすものです。
このアニマルパスウェイは、日本で生まれた発想なのですが、その先駆者となったのが、「ヤマネの湊さん」で知られる湊秋作さんです。
天然記念物のヤマネの研究と保護に長年尽力され、今は山梨のキープ協会にある「やまねミュージアム」の館長を務めていらっしゃいます。
私にとっては30年近くお付き合いのある、古くからの友人で、WWFジャパンの助成事業でも長い間お世話になりました。
この湊さんが、ヤマネやリスなどの小動物が、道路で分断された森と森を、安全に往き来できるようにと「歩道橋」、つまりアニマルパスウェイを作ったのが、今から10年前のことでした。
研究者と企業、そして、助成支援してきた経団連やWWFなどの力と知恵と経験の結晶として誕生した、この日本ブランドの「アニマルパスウェイ」の技術。
今では世界に輸出され、生命と生命を繋ぎ、自然を守る確かな手法として広がりつつあるこの取り組みは、賞賛に値する価値があります。
そして湊さんのお人柄が、多くの人々をつなげ、ネットワークとして広げてゆく、大きな原動力になったことは間違いありません。
それをあらわすかのように、記念シンポジウム会場は、大入り満員、懇親会も大盛況でした。
自然や野生動物を守るこうした取り組みを、これからもさまざまな協力のもとで、より大きなものにしてゆければと思います(草刈)