ペルー、リマより。ADPがスタートしました
2014/12/06
温暖化担当の小西です。
ここ南米ペルーの首都リマで開かれている、国連の気候変動会議(COP20)の会場は、明るい雰囲気の中、ADP(ダーバンプラットフォーム作業部会)の議論がいよいよ始まりました。
今回のCOP20は、来年12月にフランス・パリで開催されるCOP21に向けて交渉を前進させる、重要な足掛かりになる会議。ADPは、そのための主要な議論が行われる場です。
ここでは、COP21で世界が合意を目指している、国際的な地球温暖化対策のルール、目標、支援の枠組みについての合意(2015年合意)の内容、そして2020年に新しい枠組みが始動するまでの取り組みが話し合われます。
会議場を包む、これまでにない建設的な空気の背景には、今年後半に入り「パリ合意」を成功させようとする動きが、国際的に加速していることがあります。
9月に米ニューヨークで開催された国連気候サミットでは、各国首脳が温暖化対策への決意を表明。翌10月にEUが新しい削減目標を決定すると、11月には 米中がそれぞれ新しい削減目標を掲げ、2015年合意を実現させようとする強い意志を示しました。
このほか、多くの先進国が途上国の緩和と適応を支援する 「緑の気候基金」への拠出を発表しています。
これまでに発表された、温室効果ガスの削減目標は、EUが2030年までに1990年比で40%、アメリカは2025年までに2005年比で26~28%、さらに中国は 2030年ごろから排出を減少に転じさせるというもの。
これらの3地域の排出量を合わせると世界の排出量の半分に達するので、交渉を前進させるのに非常に明るい材料になるわけです。
ここまでのさまざまな交渉が積み上げてきた実績のもとで始まったCOP20は、この明るいきっかけをジャンプ台にして、来年のパリにおける合意に向けて、ゆるぎない土台を作ることが求められています。