見つかった新たな足跡!シベリアトラの追加調査1日目
2015/03/12
※2023年6月26日をもって、WWFロシア(Vsemirnyi Fond Prirody)はWWFネットワークから離脱しました。
自然保護室の川江です。
先日、極東ロシアで2日間行なわれた、シベリアトラの個体数調査の追加実施に参加してきました。今回の調査では、日本のマスコミ3社にもご同行いただきました。
追加調査が行なわれたのは、ウスリスキー保護区を中心とした約1,000平方キロの範囲。
ここは、事前調査では、7~8頭のトラの足跡が確認されていたにもかかわらず、2月1~15日に行なわれた一斉調査の際には、2頭のメスの成獣の足跡しか確認できませんでした。
さらに、2年前には仔トラ2頭も確認されていたのですが、一斉調査では仔トラの足跡も確認できていません。
こうしたまだ見つかっていないトラの足跡を探すため、今回の追加調査が行なわれました。
調査では、山道や周囲にトラの足跡がないかを探しながら、慎重にゆっくりと進みます。
雪深い今の季節、トラは移動が大変な雪原を避けて、雪が踏み固められて歩きやすい、車のわだちに沿って移動することが多くあるためです。
そして、移動すること約1時間、トラの足跡を発見!
この足跡は10日程前のもので、形がはっきりとせず、正確なデータは取れませんでしたが、それでも足跡や歩幅のおおよその大きさから、オスのトラであることがわかりました。
これは、一斉調査の際には発見されていなかった個体で、新たに見つかった1頭になりました。
そして、そこからしばらく進むと、次は車のわだちに沿って歩く、別の足跡を発見!
この足跡は、前日に残されたもので、詳細な測定が可能。前足9cm、後足8.5cmのメスの成獣であることが判明しました。
このメスは、残念ながら、一斉調査で既に発見されている個体で、新たな個体の発見にはなりませんでした。それでもマスメディアの方々に、きれいなトラの足跡を撮影していただけたのは、大きな収穫でした。
2日目の調査では、仔トラや新たな個体の足跡が見つかったのか? 追って、このブログでご報告したいと思います。