日本生協連がWWFのボルネオ森林保全プロジェクトの支援へ
2018/05/17
記者発表資料 2018年5月17日
「コープの洗剤環境寄付キャンペーン」を通して小規模パーム農園の持続可能な生産などを応援
日本生活協同組合連合会(代表理事会長:本田英一 以下、日本生協連)と公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(会長:徳川恒孝 以下、WWFジャパン)は5月21日、2018年の「コープの洗剤環境寄付キャンペーン」をスタートさせます。
これは、日本生協連による、ボルネオの森林保全を目的とした取り組みです。日本生協連は本キャンペーンを通して、WWFジャパンのボルネオ島森林保全プロジェクトへ寄付を行い、WWFが同島インドネシア領の西カリマンタン州で取り組む小規模農家の「持続可能なパーム油」生産などを応援します。キャンペーンは5月21日より1年間行われ、コープ商品の衣料用洗剤セフターシリーズなどキャンペーン対象商品1品につき、0.5円が寄付されます。
日本で使われる「植物油」の1/4を占めるパーム油は、食品・洗剤・化粧品など幅広い製品で利用されていますが、原料となるアブラヤシの農園開発により、インドネシアやマレーシアでは熱帯林が広く消失。強制労働など労働面でも問題が指摘されています。
そこでWWFでは、環境や社会に配慮した、持続可能なパーム油生産を推進するため「RSPO」を設立、パーム油を扱う企業などに参加と認証パーム油への切り替えを呼び掛けてきました。
日本生協連の子会社である(株)コープクリーンは、衣料用洗剤セフターシリーズでその趣旨に賛同し、2017年度からB&C(*1)によるRSPO認証パーム油へ切り替えを実施しました。2017年10月には、日本生協連もRSPOに加盟、コープ商品におけるパーム油調達に対する「3つのコミットメント」を発表しました。また、コープ商品としてはじめて、キャンペーン対象の一部商品にRSPO認証マークを付けて販売を開始します。
日本生協連は今後も、持続可能な社会づくりを目指して、全国の生協とともに環境保全活動に取り組んでまいります。また、WWFジャパンは、今回の日本生協連との取り組みが組合員の皆さまを通して、さらに日本全体に広がることで、まだ日本国内では問題意識の低いパーム油について、認知と、問題改善に向けた大きな機会になるものとして期待しています。
参考情報
「コープの洗剤環境寄付キャンペーン」について
2010年より日本生協連が開始。ボルネオ島の熱帯林保全に取り組む地域のNGOなどへの支援を中心に、2017年までに寄付に充てられた金額の累計は、4,310万7,781円にのぼります。
ボルネオ島 西カリマンタン州の自然について
かつては全域を熱帯林が覆っていましたが、過去10年間にパーム油生産のためのアブラヤシ農園の開発が急激に拡大。森林の消失と、そこに生きるボルネオオランウータンやテングザル、ウンピョウなどの絶滅危機種の未来が危ぶまれています。
パーム油について
「植物油」と表示される油の一種。ショートニングなどの原料にもなり、即席めんや菓子パン、マーガリン、スナック菓子、チョコレート、アイスクリームといった食品のほか、洗剤や化粧品など、多様な製品に利用されています。
RSPOについて
2004年に設立。正式名称はRoundtable on Sustainable Palm Oil(持続可能なパーム油のための円卓会議)。森林保全や地域住民の暮らし、労働環境などに配慮した「持続可能なパーム油」の生産を認証する国際機関。日本では洗剤・石鹸など日用品を中心に、認証油の利用が進んでおり、流通・食品業界にも広がってきています。
持続可能なパーム油に関する日本生協連の「3つのコミットメント」について
- 2017年度中に、コープ商品(プライベートブランド)のうち、すべての食品についてB&C(*1)による認証パーム油への切り替えを進めます。
- 2018年度中に、MB(*2)認証パーム油を使った石けん、化粧品の供給を開始します。
- 2020年までに、コープ商品(プライベートブランド)全体についてB&C、MB方式による認証パーム油への切り替えを進めます。
*1:B&C(ブック&クレーム):生産された数量の認証油を証券化し、その証券を消費者が購入することで生産者を支援するモデル。
*2:MB(マスバランス):認証油が流通過程で他の非認証油と混合される認証モデル。購入した認証農園とその数量は保証されます。
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