第1回ジャパン・サステナブルシーフード・アワードを受賞!
2019/12/02
- この記事のポイント
- 海の自然や労働者・地域社会に配慮したエビ(ブラックタイガー)養殖への転換を目指す、「インドネシア・スラウェシ島 エビ養殖業改善プロジェクト」が、2019年11月7日、『第1回ジャパン・サステナブルシーフード・アワード コラボレーション・アワード』を受賞しました。PT. BOMAR社、日本生活協同組合連合会、WWFインドネシア、WWFジャパンの4団体の協働による取り組みが高く評価され、今回の受賞につながりました。
インドネシア・スラウェシ島 エビ養殖業改善プロジェクト
自然環境や労働者・地域社会に配慮したエビ(ブラックタイガー)養殖への転換を目指し、インドネシア・スラウェシ島で取り組むエビ養殖業改善プロジェクト。
WWFでは、日本とインドネシアの事務局が協力して、国際的な養殖のエコラベル認証「ASC(水産養殖管理協議会)認証」基準を満たす持続可能な水準を満たしたエビ養殖業が実現できるよう、現場での改善を進めています。
このエビ養殖業の改善を通じて目指しているのが、マングローブの生態系の保全と、地域住民の持続可能な生計の確立です。
マングローブは、多様な生きもののすみかや採食場となるだけでなく、高潮や強風の影響を軽減するなど、地域の人々の暮らしを守る上でも重要な役割を果たしています。
しかしインドネシアでは、エビの養殖池をつくるためにマングローブが伐採され、失われてきました。
このように自然環境への配慮を欠いたままエビ養殖を行なっていくと、エビの成長や生存にも影響し、将来的に養殖自体を続けることが難しくなります。
プロジェクトでは、エビ養殖池がある場所にかつて生い茂っていたマングローブを再生し、生態系の保全に取り組んでいます。
さらに、養殖池で働く地域の方々を中心に普及啓発を実施。
自然環境に配慮した養殖業への転換を目指すことが、持続可能な生計手段として、将来の世代にわたってエビ養殖を続けていけることにもつながることを伝えています。
こうした生産現場での活動に加え、日本でも、消費者への普及啓発活動を行なっています。
持続可能な水産物に関する消費者の理解や需要が高まることで、現場でのエビ養殖業の改善の大きな後押しになるのです。
そのためプロジェクトには、現地でエビの加工を行なうインドネシア企業、PT. Bogatama Marinusa/ PT. BOMAR(以下、BOMAR社)に加え、BOMAR社からエビを調達する、日本生活協同組合連合会(以下、日本生協連)も参画。
養殖エビの生産国インドネシアと、消費国日本の関係者である、BOMAR社、日本生協連、WWFインドネシア、WWFジャパンの4団体による協働のもと、生産と消費の両面でサステナブル・シーフードを目指し活動に取り組んでいます。
ジャパン・サステナブルシーフード・アワード
この「インドネシア・スラウェシ島 エビ養殖業改善プロジェクト」が、2019年11月7日、『第1回ジャパン・サステナブルシーフード・アワード コラボレーション・アワード』を受賞しました。
『ジャパン・サステナブルシーフード・アワード』は、ジャパン・サステナブルシーフード・アワード実行委員会(※1)が主催し、日本でサステナブル・シーフードの拡大を加速させることを目的に、その年に功績を残した優れた取り組みを表彰するもの。
「イニシアティブ・アワード」と「コラボレーション・アワード」の二つからなり、それぞれ画期的な活動と複数組織の協働により、業界に大きなインパクトを与えた取り組みに賞が贈られます。
BOMAR社、日本生協連、WWFインドネシア、WWFジャパンの4団体の協働による、生産現場と消費現場の両面での取り組みが高く評価され、今回の「コラボレーション・アワード」の獲得につながりました。
サステナブルなエビに向けて取り組むべき課題は残っていますが、今回の受賞を励みに、今後一層関係者の連携を深め、プロジェクトを推進していきます。
引き続き、この「インドネシア・スラウェシ島 エビ養殖業改善プロジェクト」にご関心をお寄せいただければ幸いです。
(※1)ジャパン・サステナブルシーフード・アワード実行委員会:株式会社シーフードレガシー、MSC(海洋管理協議会)日本事務所、ASC(水産養殖管理協議会)ジャパン、セイラーズフォーザシー日本支局、公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)