日本から世界最多の80社がTNFDアーリーアダプターに登録
2024/01/18
TNFDアーリーアダプターは日本が企業数で世界をリード
TNFDは企業が自社の操業およびバリューチェーン全体を通じてどのように自然に「依存」、「影響」しているかを把握し、自然に関連するリスクと機会を管理し、情報開示していくためのフレームワークです。
TNFDは当フレームワークの普及活動の一環として早期にTNFD提言に沿った開示をする意向を示した企業を「ア―リーアダプター」として募集し、2024年の世界経済フォーラム年次総会の中で発表しました。
世界46カ国から320社がTNFDアーリーアダプターとして公表され、内日本企業は全体の4分の1にあたる80社に上りました。
TNFDの今後の日本での普及と課題
多くの日本企業のTNFDアダプター登録は、TNFDに対する高い注目度を反映しています。TNFD提言に基づく公正で網羅的な開示が各企業よりなされれば、自然と企業との関係性がマーケットに反映される大きな一歩となります。
ただし、「開示」というアクションは、自然と企業との関りを考え、自然資本の毀損、生物多様性損失を防ぎ回復を目指す、ネイチャーポジティブに向けての「手段」であり、開示自体が「目的」とならないよう気を付けていかなくてはいけません。
WWFジャパン 自然保護室 金融(TNFD)担当小池祐輔のコメント
今回の日本企業のアダプター登録社数は予想より多く、うれしい驚きでした。ただし日本のTNFDアダプター登録社数と企業の取り組みの先進性とは分けて考える必要があります。
先行したTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)においても賛同企業社数では世界をリードする一方、実際の日本企業の気候変動に向けての取り組みが賛同企業者数と比例して進んでいるとは言い難いのが現状です。
都合の良い開示だけでなくネイチャーポジティブに向けての対応を促進するための手段として、TNFDのさらなる普及をWWF ジャパンとしても促進していきます。