第四回「WWFジャパン森林絵本コンテスト」を行いました
2019/01/25
持続可能な森の資源利用について知ろう
WWFは、森を守りながら紙や木材などの林産物の生産を続けられるよう、また、適切に管理された森から生産された製品を消費者が選ぶことを可能にするため、国際的な森林認証制度 FSC(Forest Stewardship Council®)の普及に取り組んでいます。
背景には、今も続く自然林の減少があります。森林火災や環境や社会への配慮が十分とはいえない形で行われる木材利用、植林地や農地の開発など、さまざまなものが要因にありますが、自然の森が失われることによる洪水、土砂崩れなどの自然災害、生態系の損失、希少な野生生物の減少など数々の問題が報告されています。
森林の環境保全に貢献し、地域社会の利益にかない、経済的にも継続可能な形で生産された森や製品に与えられるFSCのマーク。消費者はFSCのマークが入った製品を選択することで、世界の森林保全を応援できる仕組みになっています。欧米の先進国では、付いて当たり前といっていいほど普及している「森を守るマーク」。日本での認知度はまだそれほど高くないものの、FSCのマークが付いた製品は身の回りに徐々に増えつつあります。
第四回「森林絵本コンテスト」実施報告
WWFジャパンは2015年から、将来を担う子供たちにもこのマークとその意味を紹介し、環境や社会に配慮した製品を「選ぶ」という行為が、森を守ることにつながることを伝えるために「WWFジャパン森林絵本コンテスト」を実施してきました。
第四回となる今回は、茨城県から沖縄県まで、企画の主旨に賛同してくださった計9校の小学校が参加してくれました。ほとんどの学校には、WWFジャパンのスタッフや、紙の生産者でもあり、この企画に協賛いただいた王子ホールディングス株式会社の社員がゲストティーチャーとして授業に参加させていただいたほか、事前に先生方を対象とした説明会を開くなど、密にコミュニケーションを取りながら実施しました。
今年の応募作品数は計290にのぼりました。個人、グループ応募に加えて、中には子供の作品を基に先生がビデオにして送ってくださった学校もありました。ゲストティーチャーでお話しした内容を忠実にレポートしていたり、自分なりに調べて学んだ動物や環境の知識をきちんと表現している子が非常に多く、悩みながらの審査となりました。
ここから選ばれた計7つの受賞作品は、印刷・製本され、2018年12月6日~8日に東京ビッグサイトで開催された環境展「エコプロ2018」内の王子グループのブースで展示されました。ブースには、参加校を代表して西町インターナショナルスクール、ブリティッシュスクール・イン・トーキョー、ユナイテッドスクールオブ東京、そしてつくば市立学園の森義務教育学校から子どもたちや先生方が来訪し、来場者に向けて絵本を作った感想を発表してくれました。
お子さん達の「晴れ舞台」を一目見ようと保護者の方々も多く集まってくださったほか、「毎年この場に来るのを楽しみにしています」と先生からご感想もいただくなど、賑やかで和やかなイベントとなりました。
イートインスペースでのワークショップ
四回目を迎えた本企画の今後の発展を見据えて、今回は小学校という場を飛び出して地域の方々にも本企画の主旨についてより広くお伝えするチャレンジを試験的に実施。王子ネピア株式会社および株式会社カスミのご協力のもと、埼玉県越谷市および茨城県つくば市の「フードスクエアカスミ」イートインスペースにてワークショップを行いました。
このワークショップでは、絵本コンテスト参加校と同じ内容をお話しすると同時に、王子ネピア株式会社製作の子ども向け絵本「キルンダさんとウエルンダさん」を皆で読んだり、かわいいイラストをあしらった特製の塗り絵をしたりと、実際に手を動かす作業も行っていただきました。
こちらのイベントはオープンスペースで実施したこともあり、未就学児や幼児連れのご家族やご年配の方、お友達同士で誘い合ってきてくださった女性グループなど、さまざまな方々にお越しいただきました。ふだんは小学生向けに行っている内容に対しどのような反応があるか手探りの部分もありましたが、参加者の皆さんは好意的に受け止めてくださり、たくさんご質問もいただけるなど、手ごたえを感じるイベントとなりました。
今回のコンテストやワークショップに参加してくださった各校の先生方や保護者の皆さま、協賛・協力各社をはじめ、多くの方々に多大なご協力をいただき、第四回目も無事に終了することができました。この場を借りて皆さまに厚く御礼申し上げます。
応募作品 デジタル絵本 ©つくば市立学園の森義務教育学校2年生の皆さん
実施概要:第四回『WWFジャパン森林絵本コンテスト』
主催 | WWFジャパン |
---|---|
協賛 | 王子ホールディングス株式会社、王子ネピア株式会社 |
協力 | 株式会社カスミ、ぺんてる株式会社 |
監修 | 堀井清毅教諭(西町インターナショナルスクール) |
実施期間 | 2018年8月~12月(応募締切11月22日) |
応募作品数 | 290作品 |
参加校(50音順) | 青山学院初等部 アメリカンスクール イン ジャパン 沖縄アミークスインターナショナル小学校 つくば市立学園の森義務教育学校 西町インターナショナルスクール ニューインターナショナルスクール オブ ジャパン ブリティッシュスクール・イン・トーキョー 幕張インターナショナルスクール ユナイテッドスクールオブ東京 |
受賞者(敬称略) | 受賞者(敬称略) <最優秀賞> 西町インターナショナルスクール 5年生 長友優英 「ユニコーンのコットンキャンディーの森」 <高学年の部> ★王子HD賞 幕張インターナショナルスクール 5年生 西川徳久 「森と生きるためには」 ★WWF賞 西町インターナショナルスクール 5年生 岡山凉大 「失われたドードー」 <低学年の部> ★王子HD賞 ブリティッシュスクールイン東京 3年生 小島ジェイク 「ぼくたちが守るよ!森はともだち。どうぶつもともだち。」 ★WWF賞 沖縄アミークスインターナショナル小学校 3年 阿部 恵 金 悠亜 島袋 友輔 渋谷 あみり 「森をまもろう」 <日本語初級者の部> ★王子HD賞 ユナイテッドスクールオブ東京 5~6年生 クリスチャン、マリス 「みんなの森 みんなの森へようこそ!」 ★WWF賞 ユナイテッドスクールオブ東京 3年生 アリア、アイバン、ユスフ 「森にいる すきなどうぶつ」 <佳作> 青山学院初等部 4年生 桜クラス Reo Konishi, Kaito Miki, Ichika Kiuchi, Juno Komiyama 「Arctic Wolf」 杏クラス Hirotsugu Akama, Takahiro Iwashita, Mao Inoue, Haruka Onishi 「Bonobos」 アメリカンスクールインジャパン 4年生 横須賀美月 「大きな木からのプレゼント」 4年生 三木利彩 「かほちゃんは、森の味方!生み出せ!森をまもるくふう!」 沖縄アミークスインターナショナル小学校 4年生 ロドマン 凛璃花 ケイ、ディラン 天 リン 「森をまもろう」 4年生 片桐一花 「森林の声を聞いて」 3年生 菅田梨央 「森と魔女」 3年生 中澤匠心 「かいくんとふしぎのクワガタ」 3年生 大城怜央奈 「プリンセスと小さな森」 西町インターナショナルスクール 5年生 尾関英美 「2つの世界」 5年生 大前寿依 「ささげれた命の中で」 5年生 清水琳 「さいごの木」 5年生 タッペンデン ジェシカ 「コアラをたすけよう!」 5年生 福間慶人 「象と人間の森」 5年生 寒河江真彩 「ふしぎの森のクマ」 ニューインターナショナルスクール オブ ジャパン 1~3年生 平井誉土、ウォーレン ウィリアム、いとう だん、フリードマン アヤメ 「森がたいへん・・・」 ブリティッシュスクール イン 東京 2年生 ファーカー エリザベス 「みんながきもちよくすめる いえ」 幕張インターナショナルスクール 5年生 佐藤美柚花 「トラと森林と少年の物語」 5年生 岩崎帆音 「これから森林とどう生きていくのか。」 5年生 中山知優 「僕の秘密の物語」 5年生 豊吉快生 「森林からのメッセージ」 5年生 市村恵万 「足跡に気づいたから」 5年生 渡辺あみ 「ぼくらの森林いつまでも」 5年生 志村絆蔵 「探そう!森を守るFSCマーク」 ユナイテッドスクールオブ東京 5・6年生 エリシャ、マルワ 「ゴールデンマントルツリーカンガルー」 4年生 ムーディー、アイシュワリヤ 「パンダととり」 4年生 マックス、リュウ、トーマス、あんどりゅー 「さいをたすける」 4年生 くりはら あや おおむら れいあ 「動物たちのだいぼうけん」 3年生 まちだ まさる、ふくだ まひろ 「こうたろうくんのFSC」 3年生 バックランド せいおん、かねこ しおん、まつうら うだい 「ぜつめつききのどうぶつたち」 |