第三回「WWFジャパン森林絵本コンテスト」を行いました


2017年、WWFジャパンは王子ホールディングス株式会社協賛、堀井清毅教諭(西町インターナショナルスクール)監修のもと、第三回「WWFジャパン森林絵本コンテスト」を実施しました。森林資源の持続可能な利用を推進するために2015年から始めた本企画には、今回、インターナショナルスクールを中心に7校から265作品の応募がありました。

森林認証制度「FSC®」について知ろう

WWFは、森を守りながら紙や木材などの林産物の生産を続けられるよう、また、適切に管理された森から生産された製品を消費者が選ぶことを可能にするため、国際的な森林認証制度 FSC(Forest Stewardship Council®)の普及に取り組んでいます。

背景には、今も続く自然林の減少があります。森林火災や環境や社会への配慮が十分とはいえない形で行われる木材利用、植林地や農地の開発など、さまざまなものが要因にありますが、自然の森が失われることによる洪水、土砂崩れなどの自然災害、生態系の損失、希少な野生生物の減少など数々の問題が報告されています。

森林の環境保全に貢献し、地域社会の利益にかない、経済的にも継続可能な形で生産された森や製品に与えられるFSCのマーク。消費者はFSCのマークが入った製品を選択することで、世界の森林保全を応援できる仕組みになっています。欧米の先進国では、付いて当たり前といっていいほど普及している「森を守るマーク」。日本での認知度はまだそれほど高くないものの、FSCのマークが付いた製品は身の周りに徐々に増えつつあります。

第三回「森林絵本コンテスト」実施報告

WWFジャパンは2015年から、将来を担う子供たちにもこのマークとその意味を紹介し、環境や社会に配慮した製品を「選ぶ」という行為が、森を守ることにつながることを伝えるために「WWFジャパン森林絵本コンテスト」を実施してきました。

第三回となる今回は、主旨に賛同してくださったインターナショナルスクールや私立校、計7校から436人の子どもたちが参加してくれました。ほとんどの学校には、WWFジャパンのスタッフや、紙の生産者でもあり、この企画に協賛いただいた王子ホールディングス株式会社の社員がゲストティーチャーとして授業に参加したほか、事前に先生方を対象とした説明会を開くなど、密にコミュニケーションを取りながら実施しました。

FSC認証製品を手に取る子どもたち(青山学院初等部)

ゲストティーチャーの様子(幕張インターナショナルスクール)

熱心にメモをとる子どもたちの姿が目立ちます(青山学院初等部)

紙の原料を実際に手に取って、その製造工程を想像します(西町インターナショナルスクール)

今回は初めて首都圏以外の地域、関西や沖縄の学校からもご参加をいただいたため、WWFジャパンが拠点を構える東京との間で、Skypeを使った遠隔授業にもチャレンジしました。オンラインを通じたコミュニケーションはこの企画を通じて初の試みでしたが、先生方のご協力のもと、子どもたちは最後まで元気いっぱい参加してくれました。

また、複数の学校ではゲストティーチャーのタイミングで保護者にも授業のご案内をしてくださいました。授業の当日は子どもたちだけでなく、保護者の方々にも森林の持続可能な利用、そしてWWFの活動についてお伝えすることができました。授業後にお話しさせていただいたお母さま方からも「森林認証制度については初耳だったが、今度からお買い物の際に意識してみたい」など、好意的な反応をいただくことができました。

個人応募、グループ応募はもちろん、今年はクラスでひとつの作品を仕上げて応募してくれた学校もありました。計265作品から選ばれた計7つの受賞作品は、印刷・製本され、2017年12月7日~9日に東京ビッグサイトで開催された環境展「エコプロ2017」内の、王子グループのブースで展示されました。ブースには、参加校を代表して西町インターナショナルスクール、およびブリティッシュスクール・イン・トーキョーの子どもたちが来訪し、来場者に向けて絵本を作った感想を発表してくれました。

毎年ご参加いただいている学校の先生方にお聞きしたところ、昨年は受賞をきっかけに、引っ込み思案だった子に変化があったり、人前で日本語を話そうとしなかった子が、絵本製作を通じて徐々に回りと日本語でコミュニケーションし始めるようになったなど、思わぬ効果が得られたとのこと。

この企画にご参加いただくことで、環境について知ってもらうだけでなく、教育的な面でもプラスの側面があったとすれば、こんなに嬉しいことはありません。

今回のコンテストに参加してくださった各校の先生方や保護者の皆さま、王子ホールディングス株式会社をはじめ、多くの方々に多大なご協力をいただき、第3回目のコンテストも無事に終了することができました。この場を借りて皆さまに厚く御礼申し上げます。

関連情報

勉強したことを基にお話しづくり(沖縄アミークスインターナショナル小学校)

ネイティブでない子は、日本語の学習も兼ねて作品づくり(カナディアンアカデミー)

作品完成!みんないい笑顔です。お疲れ様でした(沖縄アミークスインターナショナル小学校)

エコプロ2017王子グループのブース展示

エコプロ展に来てくれた先生方と子どもたち

実施概要:第三回『WWFジャパン森林絵本コンテスト』

主催 WWFジャパン
協賛 王子ホールディングス株式会社
監修 堀井清毅教諭(西町インターナショナルスクール)
実施期間 2017年8月~12月(応募締切11月24日)
応募作品数 265作品
参加校(50音順) 青山学院初等部
沖縄アミークスインターナショナル小学校
カナディアンアカデミー
西町インターナショナルスクール
ニューインターナショナルスクール オブ ジャパン
ブリティッシュスクール・イン・トーキョー
幕張インターナショナルスクール
受賞者(敬称略) ■最優秀賞 
「いつまでも一緒、森と」
幕張インターナショナルスクール 5年生 北島佳怜

■高学年の部
WWF賞 「大切なぼうけん」
沖縄アミークスインターナショナル小学校 4年生 仲地杏衣理
王子ホールディングス賞 「森林って何だろう?~森林を守るには~」
幕張インターナショナルスクール 5年生 サルスバーグ丈那

■低学年の部
WWF賞 「どうぶつとにんげんの森」
ブリティッシュスクールイン東京 2年生 みよし るな
王子ホールディングス賞 「WWFが森とクロサイをすくう!ぼくたちができることはなんだろう?」
ブリティッシュスクールイン東京 2年生 こじま ジェイク

■日本語初級者の部
WWF賞 「すばらしいゴリラ」
Canadian Academy 4年生 フェイス(Faith Garret)、エラ(Ella Kimmel)、アイーシャ(Aisyah Zieher)
王子ホールディングス賞 「もりのどうぶつたち」
ブリティッシュスクールイン東京 1年生 ファーカー・エリザベス、アリアス・カミソン・ニコラス、フィッシャー・レイ

■佳作(10作品)
ブリティッシュスクールイン東京
「きをそだてる!」 ファーガソン花(2年生)
「あたらしい もり」テボール・ライア(1年生)

沖縄アミークスインターナショナル小学校
「いもりくんと とんとん」 泉琶月(1年生)
「動物と自然」佐和田海斗 (4年生)

西町インターナショナルスクール
「どうぶつのにっき」 ケイト・マーコウィッツ、花キンケイド、マディー・シェーファ(4年生)
「子ゾウのアンディー」 高本悠生(5年生)
「やんばるの仲間が教えてくれたこと」 髙田瑛真(5年生)
「ぼくをみつけて~2千さいの木~」 早川薪(5年生)
「ホワイトタイガーの奇跡」 川上ふたば(6年生)

幕張インターナショナルスクール
「ニャン丸たちと森林を守ろう!!」落合弥路(5年生)

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