この字はなんという字でしょう?


右の字、何の漢字かおわかりになるでしょうか?

正解は「熊(クマ)」。中国の古い書体で書いたものです。

以前、WWFの会報誌に原稿を書いたとき、この字の成り立ちを調べたことがありました。

基になったのは「能」という字で、これはクマに似た何かの動物を象ったものだそうです。
「能」は、智恵と丈夫な体を備えた動物だったため、「能」には「よい」「芸に通じた」「可能にする」といった意味が生じたとのこと。

この「能」を基にした「熊」は、いわゆる動物の「クマ」そのものを示す文字ですが、同時に、大きい、強い、勇ましい、といった形容に使われることもあります。

たとえば、現代でも、クマタカ、クマバチ、クマゼミなど、その名に「熊」を戴く動物が多くいますが、いずれも、立派な威厳を特徴とした動物。その根っこには、人がクマに対して抱いた畏敬の念があるわけです。

時には、山野の王とも目されるクマたち。
そろそろ秋が近づく中、冬ごもりの準備をするべく、食欲旺盛なシーズンを迎えているに違いありません。

 

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自然保護室(コンサベーションコミュニケーション グループ長)
三間 淳吉

学士(芸術学)。事務局でのボランティアを経て、1997年から広報スタッフとして活動に参加。国内外の環境問題と、保全活動の動向・変遷を追いつつ、各種出版物、ウェブサイト、SNSなどの編集や制作、運用管理を担当。これまで100種以上の世界の絶滅危惧種について記事を執筆。「人と自然のかかわり方」の探求は、ライフワークの一つ。

虫や鳥、魚たちの姿を追って45年。生きものの魅力に触れたことがきっかけで、気が付けばこの30年は、環境問題を追いかけていました。自然を壊すのは人。守ろうとするのも人。生きものたちの生きざまに学びながら、謙虚な気持ちで自然を未来に引き継いでいきたいと願っています。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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