飛べないかも? いや飛べるカモ


昨年から準備が進められてきた、南米のチリと日本のWWFが共同で取り組むプロジェクトが、いよいよ始まりました。

フィールドは、太平洋を隔てた日本の対岸(?)チリ南部の海。マゼランペンギンやオットセイ、ウミカワウソ、大小の鯨類などが数多く生息する豊かな海の自然です。

プロジェクトの概要と、この自然がどう日本にかかわっているかについては、ぜひこちらのページを見ていただきたいのですが、それとは別に、今日はひとつチリから届いた写真をご紹介します。

カモ、です。来たのは写真だけで情報なし。

何だか地味な... と思い調べてみると、Flying steamerduck=トビフナガモと分かりました。steamerとは汽船のことだから「汽船ガモ」ということでしょうか。

フナガモ属は、南米大陸の南部沿岸とフォークランド諸島に4種が分布し、飛翔力を失った、つまり、飛ぶのをやめてしまったカモのグループらしい。いずれも潜水が得意で、海底の小動物などを食べています。

が、1種だけ、このトビフナガモは飛べるのだそうです。飛べないカモだからフナガモにしたが、これは飛べるフナガモだったので「飛び」フナガモにした、と。なんだかややこしいですが。

チリ南部の海にはこのトビフナガモのほか、オオフナガモという飛べない大型のフナガモも生息していますが、もしかしたら、このフナガモたち、海があまりに豊かなので、飛ぶのをやめてしまったのかも(?)しれません。

いずれにせよ、このチリ南部の海を代表する、ユニークな生きものの一種であることは間違いなさそうです。

 

*ご支援キャンペーンは終了いたしました。ご賛同いただき、ありがとうございました。

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自然保護室(コンサベーションコミュニケーション グループ長)
三間 淳吉

学士(芸術学)。事務局でのボランティアを経て、1997年から広報スタッフとして活動に参加。国内外の環境問題と、保全活動の動向・変遷を追いつつ、各種出版物、ウェブサイト、SNSなどの編集や制作、運用管理を担当。これまで100種以上の世界の絶滅危惧種について記事を執筆。「人と自然のかかわり方」の探求は、ライフワークの一つ。

虫や鳥、魚たちの姿を追って45年。生きものの魅力に触れたことがきっかけで、気が付けばこの30年は、環境問題を追いかけていました。自然を壊すのは人。守ろうとするのも人。生きものたちの生きざまに学びながら、謙虚な気持ちで自然を未来に引き継いでいきたいと願っています。

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