IUCNのレッドリスト更新 スッポンやコアラが絶滅危惧種に
2016/07/08
広報担当の大倉です。
IUCN(国際自然保護連合)が先日、絶滅の危機にある世界の野生生物のリスト「レッドリスト」を更新しました。
新聞各紙も「スッポンが絶滅危惧種になった」という見出しで、一斉にこのことを報じています。
食用のスッポンは養殖が大半なので、食への影響はないと書いている新聞もありますが、生息地の減少などの影響を受けている野生のニホンスッポンは、今後の保護策が大切になってきます。
この他、植物を中心に沖縄の固有種がいくつも、新たに世界の絶滅危機種のリストに入りました。
海外の例では、この18年~24年(3世代)のあいだに、約28%個体数が減少し、絶滅危機種となったコアラが目を引きます。
オーストラリアの東部から南東部に暮らす、世界的にもよく知られた動物ですので、驚いてしまいますね。
減少した要因は、まず激しい干ばつです。コアラはユーカリの木の葉を食べますが、厳しい干ばつは、木々に影響を及ぼします。
また、生息地の減少と分断、森林火災なども減少要因とされています。
さらに、こうした危機は将来、地球温暖化が進むと、より深刻化すると考えられています。
テレビや図鑑、動物園などでも目にすることが多く、当たり前のように思われている動植物たち。
でも、中には絶滅の危機が迫っているものがあることに、今回のレッドリストの更新で、改めて気づかされました。
IUCNでは、82,845種の野生生物を評価し、そのうち23,892種が絶滅の危機にあるとしています。
絶滅危機種が2万種を超えたのは、2012年の10月のこと。科学的調査が進んだこともあり、短い期間で大きく増えてしまいました。
野生生物とその生息地を保全する取り組みは、ますますその緊急性が高まっています。