© Shutterstock / Mari Swanepoel / WWF

シマウマはなぜ縞模様? ゾウはなぜ鼻が長いのか!


1月31日は「国際シマウマの日」。

シマウマの保全が促進されるように、アメリカのスミソニアン国立動物園などが中心となって制定されました。

シマウマといっても、分類学上は現在3種いて、いずれもアフリカ大陸にしか生息していません。

なんといっても特徴的なのは、その縞模様。
なぜこのような模様をまとうようになったのかには諸説ありますが、感染症から身を守るため、という説が有力なようです。

このように環境に適応して進化を遂げた野生生物はたくさんいます。
本当に自然の神秘、驚異です!

タンザニア北東部ロンギド地区で遭遇したサバンナシマウマ(Equus quagga)。縞模様は、病原体を媒介するツェツェバエが、色彩が均一した面にとまる傾向があることから、それを避けるためではないかと考えられています。
© WWFジャパン

タンザニア北東部ロンギド地区で遭遇したサバンナシマウマ(Equus quagga)。縞模様は、病原体を媒介するツェツェバエが、色彩が均一した面にとまる傾向があることから、それを避けるためではないかと考えられています。

こうした進化の例で、同じアフリカに生息するアフリカゾウの長い鼻も、とても特徴的。

体躯の大きなゾウは、細かな動きをするのには適していませんが、この「長い鼻」が、手となり、地面にある大豆一粒のような小さなものでも掴むことができるのです。

進化の過程で、獲得した特徴です。

鼻を使ったコミュニケーション
© Martin Harvey / WWF

鼻を使ったコミュニケーション

泳ぐ時は水面に鼻を出し呼吸する
© naturepl.com / Christophe Courteau / WWF

泳ぐ時は水面に鼻を出し呼吸する

また、この長い鼻の一番の機能は、非常に優れた嗅覚。
かすかなニオイも嗅ぎつけて、牙と鼻を使って、地面の下に潜む水を掘り当てるのです。

こうしてできた水溜まりは、他の多くの動物の水場として、サバンナの生命をつなぐ役割を果たしています。

ところが近年、激しい干ばつの影響で地底の水が枯渇するなどから、水を求めたゾウが人里に出没する問題が多発しています。

私たちが支援するタンザニアのプロジェクトでも、こうした問題を解決すべく、活動を続けています。

環境に適合して進化した野生動物たち。これからも、その本来の生態を維持しながら、人と共生していけるように。

活動を継続していきたいと思います!

(野生生物グループ 西野)

【寄付のお願い】アフリカゾウの未来のために|野生動物アドプト制度 アフリカゾウ・スポンサーズ

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自然保護室(野生生物 グループ長)、TRAFFIC
西野 亮子

学士(芸術文化)
2009年よりTRAFFICにて広報分野を中心に従事し、イベント運営、出版物作成などワシントン条約に関する普及啓発に努める。2016年からは重点種(特に注力すべき種)プログラム推進に携わり、取引を中心とした現状調査を担当。2018年以降は、関係する行政機関や企業へ働きかけ、取り組み促進を促す活動に従事し、野生生物の違法取引(IWT)の撲滅、持続可能ではない野生生物取引削減を目指す。ワシントン条約第70回常設委員会参加。東京都象牙取引規制に関する有識者会議委員(2022年3月終了)

「野生生物を守る」ことを起点に、そこに暮らす人、その場所の環境、そして利用する側の意識、すべての段階で取り組みが必要です。生息地から市場まで、それらを繋ぐことが私の役割です。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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