死ぬまでに見る満月の数
2014/07/12
今宵は満月。
月に一度、まんまるになった月が地球を照らす日です。
地球の側は曇ったり雨が降ったりで、毎月必ず見られるとは限りませんが、夜空にぽっかりと満月が浮かべば、誰しも顔を上げて目を留めるのではないでしょうか。
よく知られていることですが、月はいろいろな動物とかかわりを持っています。
模様がウサギに見えるとか、ひっくり返すとカニに見えるとか、ネズミやヒキガエルがすんでいるとか、世界中にそうしたお話があるようで、人が住んでいる、という物語も多い。
人が時という概念を持ち、年を測り、月を割って、暮らしのサイクルを作ってゆく中で、大きく頼りとした月が、身近に語られ、親しまれたのは、ある意味で当然のことなのかもしれません。

これまた当然のことですが、人が1年間に見られる満月の数は、12回を超えることはありません。
そして、生きている間に目にする満月の数も、生きた年数×12、という数を超えることはない、ということになります。
これは、太古の昔から定められた決まりであり、人だけでなく、夜空を見上げることのある生きものの全てにあてはまる掟でもあります。
中には、生涯に一度しか満月を見ることのない小さな命もあるでしょう。これからのシーズン、山野の主役となるセミたちのように、長く生きてもそれがほとんど土の中で、満月を見るのはやはり1度きり、というものもいます。
そう考えると、また次も見られるさ、と当然に思ってしまうことが、なんだかもったいないような気持になります。
あらゆる命を平等に照らす月。かなうことならば今夜、台風の過ぎ去った夜空に浮かぶその姿を、たくさんの生きものたちと同じ目で見あげたいと思います。(広報室・三間)