ASC認証を受けたブリがいよいよ販売開始!


寒い季節、鍋物などでもお世話になるさまざまな魚介類。

今はちょうどブリが旬を迎えています。

そのブリでは世界初となる「ASC」認証を受けた養殖ブリが、昨年12月16日に誕生しました。

ASC認証とは、自然環境や人権などに配慮した養殖業を認証するもので、持続可能な養殖業の証。養殖版の「海のエコラベル」とも呼ばれています。

先月ブリでこの認証を取得したのは、宮崎県の黒瀬水産(ニッスイグループ)。

そこから出荷されたブリが、いよいよ1月27日(土)から全国で販売されることが決まりました! 

販売するのはイオン系列の全国750店舗。

数量の関係で、土日のどちらか1日のみになるかもしれないそうですが、もし目にする機会がありましたら、ぜひ手に取ってみてください。

ちなみに、このASC認証を最初に取得したのは、ベトナムのティラピア養殖場でした。2012年のことです。

その後、世界で550か所以上の養殖場がこのASC認証を取得。

海や人々の暮らしを守って行なわれる、持続可能な養殖業の輪は、確実に広まってきました。

日本でもこのASC認証を受けた水産物を取り扱う企業と品目数は増加傾向にあります。

しかし、ここで取り扱われている認証シーフードは、大半が外国産のサーモンやエビなど。

ASC認証を取得した鹿児島の黒瀬水産の養殖場

国産の認証は、宮城県南三陸町戸倉地区のマガキ、そして今回のブリと、まだ2例にとどまっています。

環境を重要課題としている2年後のオリンピック・パラリンピック大会で、日本の持続可能性のあり方をきちんと示すためにも、このASCやMSCの認証を取得した持続可能な食品、資材、エネルギーを、もっと広げていくことが求められます。

皆さんもぜひ、こうした品々を自らの意思で選び、海を守る取り組みを応援してください!(自然保護室 前川)

関連記事

関連情報

この記事をシェアする

自然保護室(海洋水産 グループ長)
前川 聡

修士(動物学・北海道大学)
渡り性水鳥の全国調査および国際保全プログラムのコーディネーター業務、WWFサンゴ礁保護研究センター(沖縄県石垣島)での住民参加型の環境調査および普及啓発業務、海洋保護区の設定および管理状況の評価業務等に従事後、2011年より東日本大震災復興支援プロジェクトと水産エコラベルの普及および取得支援に携わる。養殖業成長産業化推進協議会委員。

日本各地の漁師町を訪ねては、持続的な養殖や漁業の推進のために関係者の方々と話し合いをしています。道すがら、普段はなかなか見ることができない風景や鳥を見つけては、一人ほくそえんでいます。もちろん、新鮮な魚介とお酒も! 健康診断の数値が気になるAround Fifty

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

PAGE TOP