2050年9月の気象情報です
2014/09/29
ニューヨークでの国連気候サミットの開催を盛り上げるために、WMO(世界気象機関)が主催して今、各国の天気キャスターが作成した2050年の9月3日から22日までの日々の天気予報番組が公開されています。
日本からはNHKが参加、9月4日の天気予報が公開されています。
よくできていて、「お彼岸なのに東京は35度、今年の夏は40度以上を記録、サンゴ礁の白化が広がり、海洋酸性化によってさらなるダメージの予測、さらにはグリーンランドの氷床の融解」など、リアルな映像がまとめられています。さすがに豊富な資料映像を持つNHK!
最後には国立環境研究所の江守正多さんが登場して、内容の信憑性を高めています。とてもわかりやすいので、学校などの教材にもお勧めです。
日本以外には、ブラジル、デンマーク、ザンビア、ブルキナファソ、アメリカ、フィリピンなどの国の2050年9月の天気予報(英語字幕つき)があります。
特にアフリカなどの、日本では知られていない天気予報番組が、地球温暖化のもたらす異常気象の様子をどう伝えているか、とても興味深いと思います。
私も2008年から4年にわたり「温暖化の目撃者」プロジェクトで、世界40か国の温暖化の影響についての証言を、科学的根拠を精査しながら編集してきましたが、その際に最も苦労したのは、その国にとって「何が異常気象なのか」を理解することでした。
たとえば、四季のないアフリカのケニアは、明確な雨季と乾季の二季を持ちます。その雨季がずれ、雨の降り方が変わることで、農業が非常に大きなダメージを受ける、ということが温暖化のもたらす異常とその影響でした。
「2050年の天気予報」も示している通り、温暖化は本当に世界の人々の暮らしを脅かしている、と実感します。(温暖化担当:小西)