渡り鳥たちを「見続ける」ことの大切さ
2015/10/13
自然保護室の安村です。
先週、「渡り鳥の冬支度に異変が生じている」、というニュースが朝のNHKの番組で放送されていました。
気候変動の影響で、本来はアフリカで越冬するヘラサギがヨーロッパでも越冬するようになっている、という内容です。
調査で観察される鳥の種数も減少しており、こうした変化を心配する、フランス北部の保護区担当者のコメントも紹介されていました。
季節になるとやってくる渡り鳥をはじめ、身の回りの自然の変化は、よほどに気を付けていないと見落としてしまいがちです。
たとえば、「今年はツバメが少ないな?」と思っても、なかなか実際は確かめる術がありません。
そんな時に大事になってくるのが、モニタリングと呼ばれる定期的な調査です。
毎年、決まった場所で、決まった時期に、同じ調査を何十年も継続することで、データを集め、その変化を捉えるのです。
日本でもこうした調査が長い間行なわれてきました。1973年に始まり、WWFジャパンなどの民間団体も運営に関わってきた、シギ・チドリ類の全国調査です。
現在は、環境省の「モニタリングサイト1000」事業の一環として継続されており、今年も9月中旬に、全国100カ所以上の渡り鳥の飛来地で一斉調査が行なわれました。
ここで得られる渡り鳥の種数や個体数、飛来地の変化の情報は、自然環境の健全度、豊かさを知る指標となり、その保全策を立てる上での一番の基礎となります。
また、こうした取り組みは、全国の多くの人たちが関わることで支えられている、大事な保護活動ともいえるでしょう。
そんな人たちが一堂に会する交流会も、毎年開催されています。今年は石川県金沢市にて10月24日に開催の予定。
ご関心をお持ちの方は、ぜひご参加ください!
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