この夏、福島の干潟を訪ねてみませんか?
2015/07/16
自然保護室の前川です。
東日本大震災から4年の月日が経ちました。
被災地の自然はどう変わったのでしょうか。人々の暮らしはどう変化したのでしょうか。
そんな現場を、この夏、体験してみませんか?
津波による大きな被害を受けた、福島県相馬市の松川浦は、かつては「小松島」とも称された風光明媚な景観と、豊かな海の幸で知られ、観光業が栄えてきた場所です。
海辺の湿地の生物多様性では、あの尾瀬が原にも匹敵するほど豊かだとされてきました。
しかしながら、震災により自然環境は一変。
さらに福島第一原子力発電所の事故により、水産業も大きな打撃を受け、地域はいまだ震災前の状況とはほど遠いのが現状です。
「失われて初めて、その価値に気付く」ということがありますが、松川浦に寄り添って暮らしてきた皆さんも、同じような感覚を抱かれたかもしれません。
今、旅館組合や漁業協同組合の皆さんは、地元のNPOとともに、松川浦の自然の豊かさに改めて目を向け、その魅力を再発見する道を歩み始めています。
各地のエコツアーの先進事例を視察したり、大学の研究者から講義を受けたり、私たちWWFも「暮らしと自然の復興プロジェクト」を通じて得た知見を紹介し、会合に出席して意見交換をするなど、ささやかながらそのお手伝いをしてきました。
そして、この夏、ついに正式なエコツアーが実施されることになったのです。
松川浦では、これまで試験的なツアーは行なってきましたが、本格的なエコツアーはこれが最初です。
復興に向けた地域の意気込みを、感じる貴重な機会にもなると思いますので、干潟のような海辺の自然に馴染みのある方も、ない方も、これを機会にぜひ、夏の松川浦を訪ねてみてください。