目からウロコ!経済的な選択としての「再生可能エネルギー」
2015/07/26
自然保護室の小西です。
最近、エネルギー界の巨匠レスター・ブラウン氏の新刊『大転換-新しいエネルギー経済のかたち』(岩波書店)を読みました。
本書は、再生可能エネルギーへの転換と投資が、経済的な必然であり、今はその転機となる時代であることを説いたもの。
省エネルギーや再生可能エネルギーを、深刻化し続ける地球温暖化への対策手段として、その必要性を訴えてきた私にとって、これは非常に新鮮な指摘!でした。
風力や太陽光などによるエネルギーは、最初にかかるコストが、日本ではまだ高いのですが、世界では、特に風力のコストが年々下がり、今では石炭をもしのぐところが出てきました。
燃料代が必要とされ続ける石炭と違い、風力発電は一度設備ができれば、低コストで運用できるためです。
ブラウン氏の新刊は、ウォール街の投資家たちや、抜け目ない各国の政府が、この基本的な真実を前に、競って投資をしていることを指摘しています。
また、二酸化炭素(CO2)を多く排出する石炭への投資を止めつつある世界の動きも詳しく紹介。大気汚染や健康被害が生じている中国などで、市民が石炭利用に反対している事例なども述べています。
ブラウン氏は問いかけます。
「化石燃料中心の古いエネルギー経済は、化石燃料が埋まっている場所を握っているものによってがっちり管理されていた。新しいエネルギー経済ははるかに民主的だ。風と太陽は、人が住んでいる場所であればどこでも利用できる」
確かに、太陽光も風力も、無料ですし、枯渇の心配もありませんし、世界中の国にとって平等な資源でもあります。つまり、この資源をめぐる戦争も、有り得ないということです。
一部の利益享受者が支配してきた石油・石炭を軸にしたこれまでの経済と、再生可能エネルギーを柱とする新しい経済。
その2つがせめぎ合う現代は、まさに一大転換の時代なのだ! と強く思いました。
皆さまにもぜひ、ご一読をお勧めいたします。
★この新刊を翻訳された、枝廣淳子さんが登壇されるセミナーが7月29日の夜に東京で開催されます。私もゲストスピーカーとして登壇させていただきます。新しいエネルギー経済の大きなうねりをご一緒に体感しませんか!?ぜひご参加ください。