森を守り、自然を守る「次世代」を育てる!


自然保護室の川江です。
先日、私たちが日本から活動を支援しているインドネシアのブキ・バリサン・セラタン国立公園で、「持続可能な開発のための教育(ESD)」の現場を訪問してきました。

私は、たまに国内で子どもさん向けに講演をさせていただくことがあり、その元気さにいつもパワーをもらうのですが、インドネシアの子どもたちも負けず劣らず元気です!

今回訪問した小学校では、子どもたちが2日間にわたって、身の回りの自然についてグループごとに作文し、みんなの前で発表したり、スマトラの絶滅危惧動物についての絵本を読んだりと、さまざまな取り組みが行なわれました。

グループで作文

そして最後に、2日間の取り組みをまとめたビデオを上映。子どもたちは、自分の一挙手一投足を見て大盛り上がり!

元気いっぱい地域の環境について学んで(楽しんで)いました。

プログラム終了後には、みんなで近くの滝まで一緒にハイキングに行きました。

この滝は、WWFの支援のもと、地域の人々が中心になって、エコツーリズムの整備を進めている場所です。

スマトラの絶滅危惧動物についての絵本(WWFのスタッフ作)の紹介

滝に着くまでの道中、子どもたちは何度も周りを囲んでくれて、インドネシア語がほとんど分からない私に、何も臆することなく次々に話しかけてきます。

最後には、「どうして明日帰っちゃうの?」と言われて、こちらの方が辛くなってしまいました・・。

今回の訪問を通して、大げさかもしれませんが、子どもたちは本当に将来の希望だなと思いました。

将来、この子たちが大きくなった時に、今学んでいることを少しでも覚えていて、自然を大切にする心を維持していてくれたら、この地域の森と生き物はきっと守られているだろうと思います。

ビデオを見て先生の質問に答える

スマトラでのESDの取り組みはまだまだ小規模なものですが、トレーニングを受けた各小学校の先生たちが継続的に環境教育を実施してくれています。

そして、今後、学校から地域全体へ、さらに他校、他地域へとESDの活動を広げて行く計画です。

自然を大切に思う次世代を育むために!

関連情報

滝でみんなと

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自然保護室長(森林・野生生物・マーケット・フード・コンサベーションコミュニケーション)、TRAFFICジャパンオフィス代表
川江 心一

京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科修士課程修了。
小学生の頃に子供向け科学雑誌の熱帯雨林特集に惹きつけられて以来30年間、夢は熱帯雨林保全に携わること。大学では、森林保全と地域住民の生計の両立を研究するため、インドネシアやラオスに長期滞在。前職でアフリカの農業開発などに携わった後、2013年にWWFに入局。WWFでは、長年の夢であった東南アジアの森林保全プロジェクトを担当し、その後持続可能な天然ゴムの生産・利用に関わる企業との対話も実施。2020年より現職。

小学生の頃に科学雑誌で読んだ熱帯雨林に惹きつけられると同時に、森林破壊のニュースを知り「なんとかしなきゃ!」と思う。以来、海外で熱帯林保全の仕事に携わるのが夢でしたが、大学では残念ながら森林学科に入れず・・。その後、紆余曲折を経て、30半ばにして目指す仕事にたどり着きました。今でもプロジェクトのフィールドに出ている時が一番楽しい。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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