【動画あり】私たちが森を守り、森が私たちを守る
2017/02/06
先日、ボルネオ島の森にある、天然ハチミツを生産する村を訪れました。
村の人々は、蜜を採るため、高さ50メートルを優に超える巨木に登ります。
そのあまりの高さに、私のカメラを握る手は、震えるほどでした。
要となるのは、シアランと呼ばれる巨木。
ミツバチが多く巣を作るこの木の周りに、豊かな森が保たれているかが、ハチミツの生産を左右します。
そして、この森はオランウータンをはじめ多くの生きものすみかでもあります。
つまり、ハチミツの生産を続けていくことは、森と動物たちを守り、人々の暮らしを確立することでもあるのです。
森や木々を利用する、という言葉には、伐採や森林を破壊すること、という印象があるかもしれません。
しかし、このハチミツや「FSC®認証」を受けた木材のように、環境に配慮しながら生産を行ない、持続可能な形で利用していくことは、十分に可能です。
日本でも、こうしたFSC認証木材のような製品を、もっと意識して、選んで使うようにすれば、森を上手に使う暮らしを選んだボルネオの村の人たちのように、世界の自然を守る一助となることができるでしょう。
インドネシア語には「私たちが森を守り、森が私たちを守る」という言葉があります。
初めてこの言葉を教えてもらったとき、私は、シアランの木に登る人のシルエットを思い出していました。
ボルネオの森に住む人々が、違法伐採などをせず暮らしていけるように。
私たちもボルネオの村に技術的な支援をしながら、日本でもFSC認証を受けた木材製品が広がるよう、努力してきたいと思います。
皆さんもぜひ、お店でFSCのラベルがついた製品を選んで、ないときは企業やお店にそれを求める声を届けてください。(自然保護室 伊藤)