対処療法から「予防」へ!
2017/02/17
自然保護室の並木です。
寒い日が続いていますが、皆さんは健康のためにどんな工夫をされていますか?
うがい手洗いはもちろんですが、私の場合は運動が好きで、特にバドミントンは長く続けています。
健康の維持には、やっぱり予防が大事。身体を壊してからでは、なかなか回復も大変です。
自然もそれは同じで、森や海の環境を壊してしまったり、動植物を絶滅させてしまってからでは、手遅れになってしまいます。
ですが今、その手遅れになりかねない脅威となっている問題があります。
「外来種」です。
外来種とは、人が外から持ち込んだ、もともとその場所にいなかった生物のこと。
日本では、ブラックバスやカミツキガメ、アライグマ、セイタカアワダチソウなどがその代表です。
持ち込まれた生きものたちに罪は無いのですが、これらは在来の動植物を食べてしまったり、すみかや食物を奪ってしまう問題を引き起こしています。
昨年の世界自然保護会議でも、この外来種問題が世界で2番目に大きな生物多様性への脅威である、とされました。
特に影響を受けやすいのは、大陸から離れた、独自の生態系が存在する島の自然。
日本ではヤンバルクイナなどが生きる沖縄(南西諸島)や、小笠原諸島がこれに相当します。
こうした自然に、一度入り込んでしまった外来種を取り除くのは、きわめて大変なことです。
ですから、外来種を野外に放したり増やすことの無いよう、管理を徹底し「予防」することが大切なのです。
そんな問題について話し合うシンポジウムを今月開催します。
日々の暮らしの中で、外来種への理解と適切なアクションが広がるきっかけとなってくれたら、これほど嬉しいことはありません。ぜひご参加ください。