WWFジャパンは設立から50周年を迎えました
2021/09/22
皆さまこんにちは。
WWFジャパン事務局長の東梅です。
本日、9月22日、WWFジャパンは環境保全団体として設立されてから50周年を迎えました。
長年にわたり、私たちの活動にご理解とご支援をいただき、支えてくださった皆さまに、心から御礼を申し上げます。
過去50年間で、環境保全の取り組みは大きく変化を遂げてきました。
WWFも発足した当初は、絶滅の危機にある野生動物を守ることを、活動の主な目的としていましたが、その後、海や森といった生息環境の保全に取り組みを拡大。
さらに、そのための手段として必要とされる、人間社会の生産や消費を、環境を損なわないものに改善していく「持続可能」な未来の実現を目指すようになりました。
こうした取り組みの中で関わり、共に活動に取り組んできた方々も、自然や野生生物の研究者、地域の自然保護団体の方々はもちろん、他の社会問題や、法律、経済などの専門家、政府や自治体、またさまざまなビジネスに関わる皆様まで、その分野に大きな広がりを見せています。
しかし、こうした協働の拡大は、活動の大きな進展であり、成果である一方、環境問題が年々、より多くの人々にとって身近で、深刻な問題になりつつある現状を、顕すものともいえます。
毎年のように世界各地で起きるようになった大規模な山火事、干ばつや水害。さらには森林破壊などに伴う土地の改変や、大規模な野生生物の違法取引で、自然界から人間の世界にもたらされるようになった、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のような動物由来感染症など、地球温暖化や自然破壊が端緒となり、人間社会にもたらされるようになった危機は、今後さらに増え、深刻化することが懸念されています。
そして、これらの危機を乗り越え、私たち自身の手で健全で安全な未来を築いていくためには、特に2030年までの決断と行動が、重要な意味を持ってきます。
そのために私たちWWFジャパンは、2030年までに世界の生物多様性の劣化を回復の軌道に乗せ、地球の平均気温の上昇を産業革命前と比較して1.5度未満に抑える、という2つの目標を掲げ、今年の7月からそれを実現するための新たな5か年の中期計画をスタートしました。
世界の生物多様性を守り、そのために持続可能な社会を実現する。
この取り組みは、必ず成功させなくてはならないと思っています。
もしも、これが実現できなければ、もはや取り返しのつかないレベルで地球環境は損なわれ、野生生物は絶滅し、人もまた、健全な暮らしを送れなくなってしまうからです。
多くの野生の生きものたちと、今そして未来を生きる世代の人々に、このすばらしい地球環境を手渡していくために、私たちはこれからも、WWFの世界100カ国の仲間たちと共に、活動に尽力していく所存です。
これまでの50年間に、あらためて御礼を申し上げますとともに、今後とも引き続き、皆さまには活動へのご賛同とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。
2021年9月22日