今週から開幕!COP25@マドリード
2019/12/03
前日まで降り続いた雨は止み、スペインの首都マドリードの空はさわやかに晴れわたりました。青空の下、多くの参加者が、期待と緊張を胸に、国連気候変動枠組条約第25回締約国会議(COP25)の会場に向かいます。
今年の開催国はスペインで、議長国はチリ。1か月前、チリ国内の情勢不安により開催を断念したときには、開催そのものがあやぶまれました。しかし、スペインが従来と同じ日程で開催を引き受けたことで息を吹き返し、気候変動の解決を願う人々の希望がかなったのです。
ほぼすべての国が参加する地球温暖化の国際条約「パリ協定」は、2020年から本格スタートします。その号砲が鳴るまで1か月に迫るなかで行われるこの会議では、もはや「地球温暖化」ではなく、「気候危機」と呼ばれるほど悪化した気候変動の拡大を防げるかどうかを決する重要な会議です。
COP25の議論の焦点は、パリ協定の実施指針のうちわずかに残った未解決の議論を終えてルールブックを完成させること、そしてパリ協定の長期目標である気温上昇を1.5度に抑えるために各国が国別目標を引き上げること。
そして各国が高い目標を掲げるためには、自治体や企業、NGOなど非国家アクターの取り組みも求められます。
スウェーデンの高校生、グレタ・トゥーンベリさんがたったひとりで始めた「気候ストライキ」への連帯は瞬く間に世界へ広がり、日本を含む主要都市の街頭を若者が埋め尽くしています。9月に行われた国連気候行動サミットでは、65もの国、多くの非国家アクターが2050年までの脱炭素化を宣言しました。
それでもなお、気候危機を回避するために必要な行動には遠く及ばず、大気中の二酸化炭素濃度は観測史上最高を更新し、気温上昇は止まず、気候災害が世界中で猛威をふるっています。グテーレス国連事務総長は開会式で、「私たちは2050までに温室効果ガスの排出をゼロにする政治的な意思があることを示さなければならない」と各国に国別目標の引き上げを強く要請しました。
WWFは実効性のあるルールブックの完成に向けて交渉への働きかけを行いながら、非国家アクターとしても積極的な活動を行い、COP25の成功に貢献していきます。
終了までの約2週間。日本からの応援を、どうぞよろしくお願いします!(自然保護室 小西)
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