【動画あり】COP24 12月4日「パリ協定」ルールブックの完成に向けて
2018/12/05
ポーランドで開かれている、国連の温暖化防止会議COP24の会場より小西です。
開幕3日目を迎えた会場では、各国による本格的な交渉がいよいよ始まりました。
会議の最大の目的は、地球温暖化対策の国際枠組みであるパリ協定のルールを採択することにあります。
パリ協定の始動は2020年。
しかし、運用の詳細なルール(実施指針)はまだ決まっていません。
そのため、2年前のCOP22において、COP24で採択することを決定して以来、各国が時間をかけ、議論を重ねてきました。
最大の論点は「差異化」の問題です。
京都議定書の時代には、歴史的な排出責任のある先進国と途上国の取り組みには明確な差を設けていました。時代が移り変わり、一部の途上国が急速に発展していることを受けて、パリ協定においては、世界のすべての国が温暖化対策に取り組むことに合意することができました。
画期的なパリ協定ではありますが、130か国を超える途上国の間には、まだまだ開発の程度に大きな差があります。そのため、すべての国に対して基本的には世界共通の対策を求めるのか、それとも開発段階に応じて差異化した運用にしていくのかという論点をめぐり、先進国と途上国が激しい議論を展開してきました。
この対立は、気候変動枠組条約ができた当初から続いてきた根源的な問題が、形を変えて現れていると言えます。
パリ協定は、世界が一体となって気候変動に立ち向かうために、互いにぎりぎりの妥協を経て歩み寄ることで成立しました。いよいよパリ協定がスタートする2020年を前に、可能な限り、パリ協定に定められた原則が活かされる形で、運用ルールを決める必要があります。
12月9日からは、12月14日の会議最終日の合意に向けて、閣僚級会合が始まります。各国の大臣たちが最後に政治的な判断を下して運用ルールに合意できるように、その交渉の土台となる文書を策定できるかどうかが、1週目の交渉の焦点です。
無駄にできる時間は一刻もありません。