希少種アユモドキの保全をめぐって 京都府職員の方が来局
2018/06/15
本日、京都府環境部の皆さんがご来局くださいました。
この部局は、京都府の亀岡市に生息する国際的な希少魚類で京都府の希少種条例の指定となっているアユモドキの保全をめぐり、私たちが久しくやり取りをしてきた部局です。
きっかけは、その貴重な生息域の一つで、2013年に「京都スタジアム(仮称)」の建設計画が持ち上がったことでした。
過去にもお伝えしてきたように、この問題については私たちも意見書や要望書を多く提出。
最初は対立もありましたが、地元の方々の理解や、専門家の厳しい指摘、また府や市の努力により、その後、建設予定地は変更されました。
しかし、計画自体は隣接する場所で行なわれていることから、引き続き保全に向けた監視と予防策が必要です。
今日は環境部自然環境保全課の新任の課長の方が、ご挨拶に来てくださったのですが、場はすぐにアユモドキ保全のお話に。
同席くださった日本自然保護協会、IUCN日本委員会、CIジャパン、全国ブラックバス防除市民ネットワークの皆さんともども、現地の状況や課題について情報を交換しました。
環境部の方からは、まず昨年着工した京都スタジアム(仮称)と、5月の第三者委員会による承認、アユモドキの産卵場所を確保するための設備「ラバーダム」の修繕などの見通しについて。
私たちからは、今後に向け、アユモドキが再び当たり前の魚になることが目標であることを共有しました。
また、農業、特に稲作と密接に関係しているアユモドキが、絶滅に向かわずに人と共存できる未来のグランドデザインを作り、府の農政局や、市、地域の住民を巻き込んでいくことが大事である点などをお話ししました。
府の方からは、これまでの対立の関係から、夢を描いていけるような協力をめざしたい、との言葉も。まだ確かなものにはなっていませんが、一時は厳しかったアユモドキの未来に、一条の光が見え始めています。(自然保護室 草刈)