再生可能エネルギー100%は実現可能?


温暖化担当の池原です。
このたびWWFでは、新しいエネルギーレポートを発表しました。
再生可能エネルギーの割合を増やしてゆき「2050年までに100%にすべし」という内容です。

再生可能エネルギーというのは、太陽エネルギーや風力エネルギーなど、繰り返し何度でも使える自然エネルギーのことです。石油や石炭などとくらべ、二酸化炭素の排出量も極めて少ないのが特徴です。

地球温暖化を防ぎ、エネルギー自給率を高めていくには、従来の石油や石炭、原子力などを再生可能エネルギーに置き換えていく必要があるのです。

世界のエネルギーを「100%」再生可能エネルギーでまかなう。「本当にそんなことできるの?」と思われるかもしれません。

ですが今回、WWFが世界有数の気候・エネルギーコンサルタント企業であるエコフィスに委託して分析・検討を行なってみた結果、現在すでにある風力や太陽光などの利用技術を普及させるだけでも、「2050年までに95%まで再生可能エネルギーの割合を増やすことができる」という結果が出ました。

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ただ「石油を使うな」「温暖化を止めろ」と言っても、実際にどうすればいいかはイメージしにくいですし、そんな状態で「石油に頼らないのは無理だ」と思い込んでいる人たちと温暖化防止について話し合うのも困難です。

今回のレポートは、そうした課題を乗り越えて、未来のことを考えてゆく、一つの挑戦といえる試みです。
こうした検証を基にして、温暖化防止に向けた具体的なビジョンと、そのための手段を、私たちもより深く考えてゆきたいと思っています。

レポートの全文は英語なのですが、日本語の要約版も公開しています。ぜひご覧ください。

 

 

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気候エネルギー・海洋水産室 気候変動・エネルギーグループ
池原 庸介

修士(応用化学、環境マネジメント)
自動車メーカーで環境関連業務に従事した後、英エディンバラ大学大学院で気候変動の研究に従事。2008年にWWF入局。Science Based Targets(SBT)や企業の温暖化対策ランキングプロジェクトなどを通じ、企業の気候変動戦略・目標の策定を支援。公害防止管理者(大気一種)。グリーン電力証書制度 諮問委員。法政大学人間環境学部 非常勤講師

1990年代に環境問題と出会って以来、仕事や研究で環境に携わってきました。気候変動は、人間の暮らしにも生物多様性にも様々な影響を及ぼす世界共通の問題です。企業と協働しながら、脱炭素社会の実現に取り組んでいきたいと考えています。

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