スマトラサイ調査の道中、ボートが転覆...!
2014/07/08
こんにちは、広報の増本です。 先日、ボルネオ島・東カリマンタンに行ってきました。
今回訪ねた先は、去年、東カリマンタンでは絶滅したと考えられていたスマトラサイ(ボルネオサイ)の生存が20年ぶりに確認されたプロジェクトの現場です。
スマトラサイの痕跡を発見したWWFインドネシアのスタッフとも直接話ができたのですが、その中でこんなエピソードを聞きました。
徒歩と船で数日かかる森の奥へ、設置しておいた調査用ビデオカメラのデータ回収とバッテリー交換に行ったときのこと。
森を流れる川を遡って船で現場へ向かっていると、大雨の後だったため流れが急になっており、3台のボートのうち2台が転覆してしまったそうです。
幸いけが人は出なかったものの、ボートをはじめ、カメラやエンジンが破損し、使いものにならなくなってしまいました。
意気消沈しながらも、カメラの設置現場へ向かい、撮影データを再生してみると、そこにはなんと、森の中を歩き回るスマトラサイが!しかも、複数台のビデオカメラがサイの姿をとらえていたのです。
「カメラもボートも壊れてしまったけど、映像を見た時は、それが吹っ飛ぶくらい夢のような瞬間だった」と彼は興奮気味に話してくれました。
ちなみに、ボートの破損により、調査チームは事務所まで3日かけて歩いて帰ったそうです。食料も水浸しになったため、川で釣りをして食べていたとのこと。それにしても、右の写真のような大物の魚が何匹もとれたというので、この地域に残されている自然の豊かさには驚嘆せざるをえません。
あいにく今回は、サイが発見された場所までは足を伸ばせませんでしたが、同じ森に足を踏み入れ、この森のどこかにスマトラサイが悠々と歩いているんだなあと想像するだけでも、至福の時間となりました。
▼20年ぶりに存在が確認されたスマトラサイの動画
▼関連記事