「森の恵み」木質バイオマスに注目!


どうも!温暖化担当の市川です。
先日、南アフリカで開かれたバイオマスについてのミーティングに参加してきました。

会場は世界遺産で有名な、かのテーブルマウンテンの隣!だったのですが案の定、終始部屋に缶詰めで、その絶景は楽しめませんでした。

さて、今回のミーティングは、チップや薪に代表される「木質系バイオマス」の活用について話し合うものでした。

「森の恵み」バイオマスは、エネルギーとして実は巨大なポテンシャルを持っています。

一説によれば、世界の森林の成長量は、同じ1年間に取引される木材の量の100倍。

しかも、木は燃やす過程で二酸化炭素(CO2)を排出しても、生育時には炭素を固定してくれる、まさに「再生可能」なエネルギーです。

しかし、そうはいっても再生と利用のバランスを誤れば、森の自然や生態系そのものを損ないかねません。

今後、世界で木質バイオマスの活用拡大が期待されていますが、そのための森の利用も、新たな森林破壊や、農地としての土地利用との衝突といった、さまざまな問題につながる危険をはらんでいます。

そこでWWFは、自然環境や地域社会に配慮した森林管理を認証する「FSC」認証などを活用した、持続可能な木質系バイオマスを広げてゆくことを目指しています。

森の生物多様性を守りながら、温暖化を防ぐ「自然エネルギー100%」の未来を創ろう、という試みです。

もちろん、バイオマスを使う側も、とにかく無駄遣いをしないよう徹底することが必要。日本発の世界的な言葉になった「もったいない」を発揮すべき時!かもしれません。

エネルギーに限らず今一度、その言葉が当たり前な社会を目指していかなければならないと実感した南アフリカでした。

南アといえばテーブルマウンテン!今回ははるかに遠望するのみでした。残念。

木片から作られた燃料用のペレット。森の恵みです。

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自然保護室(気候・エネルギー)
市川 大悟

学士(農学)
準学士(機械工学)
高等専門学校で機械工学を専攻後、大学で環境学を修了。卒業後は工学分野の知識を活かし、環境分野とも関わりの深いエネルギー分野のエンジニアを経て、2012年にWWF入局。以降、再生可能エネルギーのプロジェクト担当者として活動。

子どもの頃にどっぷり遊び漬かった田舎の原風景。その自然をこれからも残したいと考えてWWFに。元は畑違いのエンジニアですが、逆に培った工学の経験と環境の知識を糧に、エネルギー面から環境問題の解決に貢献したいと考えています。主な活動は、地域での再生可能エネルギーの導入を手助けすること。モデルプロジェクトの組成や、合意形成の援助、国の制度を変えるための政策提言などを行っています。
人と自然が共存できる社会を、皆さんにお見せできるよう、これからも頑張っていきます!

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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