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夏の風物詩が風物“止”に?第7次エネルギー計画策定を前に、猛暑からエネルギー問題を考えるパネル展を開催

この記事のポイント
「夏祭り」「海水浴」「真夏の高校野球」「屋外プール」「野外フェス」など、夏から連想される風物詩が、気候変動に起因する猛暑や豪雨などの影響で、その姿を変えつつあります。これからの日本のエネルギー政策が決まろうとする今、夏の風物詩をきっかけに地球温暖化について考え、再生可能エネルギーを求める来場者の声を集める展示会「夏の風物”止”展」を、2024年8月15日(木)~8月18日(日)の4日間、渋谷ヒカリエ(東京都)で開催しました。
目次

「夏祭り」「海水浴」「真夏の高校野球」・・・姿を変えつつある、夏の風物詩

地球温暖化の影響も相まって、2024年の夏も最高気温が35度以上となる猛暑日が全国各地で続いています。
連日のように発表される熱中症警戒アラートで、楽しみにしていた外出やレジャーなどの計画をあきらめざるを得なかった方も多いのではないでしょうか。

そうした気候変動と身近な暮らしのかかわりを広く理解してもらい、その解決に向けたアクションを促すため、WWFジャパンは2024年8月15日(木)~8月18日(日)の4日間にかけて、「夏の風物”止”展」を、東京の渋谷ヒカリエで開催しました。

この展示会では、「花火大会」や「野外フェス」など、様々な夏の風物詩が、突然の雷雨により直前に中止となったことや、熱中症の危険が高まっていることなどの事例を挙げ、猛暑との関係を考察しました。

姿を変えるかもしれない夏の風物詩の数々
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姿を変えるかもしれない夏の風物詩の数々

異常なほどの暑さを引き起こしている要因のひとつは、地球温暖化。そして地球温暖化の原因は、温室効果ガスです。人類が排出する温室効果ガスの大半は、石炭・石油などの化石燃料に由来する二酸化炭素(CO2)が占めています。

日本では温室効果ガス排出量の85%が、化石燃料の使用によるCO2。そのため、地球温暖化対策ではエネルギーのあり方を考えることが不可欠です。生活に最も身近なエネルギーである電力も例外ではありません。2022年度の国内の発電電力の割合は、化石燃料を用いて温室効果ガスを排出する火力発電が70%以上を占めています。

2022年度の日本の電源構成

2022年度の日本の電源構成

現状のように化石燃料に依存した電源構成の下では、電気を使えば使うほど温室効果ガスを排出し、地球温暖化につながる生活をしているのです。

カギを握るのは、再生可能エネルギー

展示会では、温室効果ガスを発電時に排出しない再生可能エネルギーについて、導入を後押しする制度や工夫、新技術についての解説も展示。

農地を活用し、農作物の生産と太陽光発電などの再生可能エネルギーの広がりを両立させる取り組み、「ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)」のミニチュア模型も紹介しました。

ソーラーシェアリングの模型

ソーラーシェアリングの模型

2024年度は、日本の今後のエネルギー政策が決まる重要な一年

地球上で起きる気候変動の深刻な影響を抑えるためには、世界の平均気温の上昇を産業革命前から1.5度に抑える必要があります。

そのためには、まず省エネに努めること、そのうえで、石油や石炭から、太陽光や風力などの再生可能エネルギーに、段階的に全て切り替えていかねばなりません。

地球温暖化をくいとめる約束である「パリ協定」は、その実現を世界各国政府に求めています。

そうした国際的な動きの中、日本の資源エネルギー庁の審議会では、現在、2025年3月までに策定が予定されている「第7次エネルギー基本計画」の検討が進められています。

この「エネルギー基本計画」は、日本がこれからどのようにして電気や熱などのエネルギーを作り、使っていくかを決める、重要な法定計画。

化石燃料に依存した従来のエネルギー政策を大きく転換させるためには、新しいエネルギー基本計画に、再生可能エネルギーを最大限導入する方向性が盛り込まれることが必要です。

なぜなら、この基本計画は、日本のエネルギーのあり方についての「中長期の方針表明」であり、その内容がどうなるかによって、今後どのエネルギーに注力し、どのような技術に投資していくかが決まるためです。

これからのエネルギーのあり方を決めることは、日本の経済を左右すると同時に、日本が今後どれだけ温室効果ガスの排出削減に貢献するか、その取り組みに大きく関わることなのです。


これまでWWFジャパンでは、2050年の脱炭素社会が実現可能かを検証する「エネルギーシナリオ」を作成しています。そのなかでは、2050年までに日本が再生可能エネルギー100%を実現できる可能性があることがわかっています。

エネルギーシナリオ(抜粋)

エネルギーシナリオ(抜粋)

今回の展示では、会場に、再生可能エネルギーを増やしていくことに賛同する、来場者の意思を表示できるコーナーを設置。

4日間でご来場いただいた、約1,500名の方々から、350近くの一般の方々からの声をいただき、用意していたボードからあふれるほどでした。

ボードからあふれるほどに貼られたメッセージ

ボードからあふれるほどに貼られたメッセージ

代表的なメッセージ:

  • 自然環境を守りながら、再生可能エネルギーを増やすことはできると思います。2050年再エネ電力100%!
  • 地球温暖化を止めるためにも、再生可能エネルギーを増やすべき。
  • 最近の異常な暑さを止めたいです。人間だけの地球ではないので、一刻も早く脱炭素に向けた政策をとって実行してほしい。石炭を燃やすのもやめてください。
  • 再生可能エネルギーを当たり前に。選択肢を増やしてください。

こんなにもたくさんの再エネを求める声をお寄せいただき、直筆のメッセージには大きな力を感じました。
いただいた賛同の声は、WWFジャパンから政府審議会などの場を通じて政策決定者に届ける予定です。

大勢の方でにぎわう会場

大勢の方でにぎわう会場

次世代に残したい「夏の風物詩」をこれから先も変わらず楽しむために。
いまこそ、エネルギー問題について考え、声を上げていただけたらと思います。

イベント概要

イベント名 夏の風物”止”展
期間 2024年8月15日(木)~18日(日)
場所 渋谷ヒカリエ
参加者数 約1500名
主催 WWFジャパン

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