自然エネルギー100%の野外ライブに出展!
2014/10/15
2014年9月27日~28日の2日間、岐阜県中津川市で行われた野外ライブ「中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2014」に、WWFジャパンも出展しました。100%自然エネルギーでまかなわれるこのイベントは、今年で3年目(中津川での開催は2年目)。2日とも、晴れ渡った青空からさんさんと降り注ぐ太陽の光と、さわやかな秋の風に包まれての開催となりました。
自然エネルギーは、あてになる!
WWFジャパンは、2014年1月から「自然エネルギーは、あてになる!」キャンペーンを実施してきました。
ますます深刻化する地球温暖化、そして原発に大きく頼る方向で進んできた日本のエネルギー政策。こうした状況をなんとか転換していくために、期待されるのが自然エネルギーですが、日本ではつい最近まで、その導入が十分に進められているとはいえない状況でした。ここ数年になって、ようやく導入が進み始めましたが、いまだに、自然エネルギーは「不安定」「高くつく」といったイメージも流布しています。
しかし、WWFジャパンがシミュレーション研究などにもとづき発表した「WWFエネルギーシナリオ」では、2050年までに自然エネルギー100%の未来は可能だ、という結果が示されました。
今回の「中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2014」は、まさに、「自然エネルギーは、あてになる!」ことを体現するイベントです。WWFジャパンは、その取り組みに賛同し、特別協力をするとともに、ライブの会場にブースを出し、ゲームなどを通して、参加者の皆さんへ向けたPR活動を行ないました。
どうやって、100%自然エネルギーを実現?
「中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2014」では、コンサートの運営に関わる電力のすべてを、自然エネルギーでまかなっています。
事前に太陽光で蓄電した電気と、当日会場に設置する大量の太陽光パネルを組み合わせて、コンサートを展開。その他、ステージ以外の会場運営に関わる電力は、グリーン電力証書を通じて太陽光発電を活用。バックアップ電源などはバイオディーゼル発電で補っています。
この取り組みが始まったのは、東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故がきっかけでした。
あの未曾有の事故のあと、「未来のエネルギーの可能性についてたくさんの人々と希望を分かち合いたい」と、ミュージシャンの佐藤タイジさんが呼びかけたのが「太陽光から生まれた電気で武道館ライブをしよう!」という提案でした。
そこに多くのアーティストが賛同し、2012年12月20日、ついに東京・千代田区の日本武道館で、太陽光(一部、バイオディーゼルを含む)による3時間のライブが行なわれました。
そして2013年からは、会場を「日本の野外フェスの先駆け」の地である中津川に移し、2日間という長丁場を、自然エネルギーでまかなうという大きなチャレンジが始まったのです。
自然エネルギーの「5つの力」
WWFジャパンは、第3回目となる今年から、このライブに協力。自然エネルギーの5つの力として、「あてになる」「わりとある」「まかなえる」「くいとめる」「わりにあう」という5枚のカードを会場内のあちこちに隠し、それを3種類以上、探しあてるとハズレなしのくじ引きに参加できる、というゲームを実施しました。
ステージとステージの合間、多くの方々がゲームに参加してくださいました。「2種類みつけたけど、あと1種類がなかなか見つからない!」「わりとある、って、なんだかゆるくて良い感じ」「揃いました!あてになる、わりとある、わりにあう!」と、楽しみながら、自然エネルギーの「力」を覚えてくださったようです。
この「5つの力」は、「自然エネルギーは、あてになる!」のキャンペーンサイトでご紹介してきたものです。
また、メインステージの横に設置されたスクリーンでは、WWFが制作した動画「Gift for Children」も流していただきました。「自然エネルギーは、100年後、200年後の子供たちにも届く贈り物」と訴える映像です。
チャレンジする気持ちが未来を変える
2日間の野外ライブは、途中で電気が切れることもなく、無事に終了しました。グリーン電力証書も使いながらではありますが、やはりこれは大変なチャレンジであり、実際に変化を起こせることを体現して見せたのには、大きな意義があります。
自然エネルギー中心の社会に変えていくこと。それは、誰にとっても、どの国にとっても、未知なる世界です。不安や課題があるのは、ある意味であたりまえでもあります。そのとき、何より大切なのは、チャレンジする意志と、実行してみる行動力です。それがなければ、新しい社会を創ることはできません。
WWFジャパンはこれからも、こうした活動を応援していきながら、政府に向けて、大幅な省エネと自然エネルギーの大幅な導入は、決して夢物語ではないことを、現実を踏まえた研究結果などを示しながら、求め続けていきます。