© WWF-US / Marlon del Aguila

5月23日は世界カメの日!


5月23日は世界カメの日(World Turtle Day)。
世界中の国で、カメの保護について考える日です。

カメは昔から多くの地域で人々になじみのある動物で、
さまざまなことわざや、昔話にも多く登場します。

© photoAC

しかし、近年では環境破壊や外来生物の影響、伝統薬などの原材料としての利用により、世界各地で減少。今では180種あまりのカメが、絶滅の危機に瀕しています。

「ペット利用」も、カメ類の減少要因の一つ。

市場には、飼育下繁殖で増やした個体ではなく、野生個体も流通しているほか、ワシントン条約で輸出入が規制されていても、密輸されるケースが多数報告されています。

そんなカメたちが大自然の中で生きる姿を、直接目にする機会がありました。

場所は、私たちがジャガーの保全活動に取り組んでいる、南米アマゾンの流域。
出会ったのは、モンキヨコクビガメという、日本でもよくペットとして販売されているカメです。

© WWF-Brazil / Zig Koch
©WWF-Japan/ J. Mima

南米のアマゾン川とオリノコ川の流域全体に生息するモンキヨコクビガメ。私たちが見たのは、このカメの仔ガメたちがちょうど孵化して砂の中からはい出し、川を必死に目指していくところでした

現地の関係者に聞くと、モンキヨコクビガメはもともと地元で食用や薬用目的の採油で利用されていたそうですが、ペットとしての商業価値も加わったことで乱獲に拍車がかかったそうです。

2023年末には、インドネシアに密輸されようとしていたモンキヨコクビガメなど約4000匹が、ペルーの空港で押収される事件もありました。

©WWF-Japan/ J. Mima

産卵場所になっている砂洲。仔ガメの空っぽの甲羅も見つけました。マーゲイのような小型の肉食動物に食べられたようです。カメたちはこうして時には捕食者の貴重なタンパク源となったり、木の実を食べてその種を拡散したりと、自然の中で重要な役割を果たしています。

小さいながらも、生態系にとって欠かせないアマゾンのカメたち。

そんなカメたちが生きる自然と、共に暮らすさまざまな生きものたちを、これからも守る取り組みを続けていきたいと思います。(野生生物グループ・岡元)

【寄付のお願い】ジャガーの未来のために|野生動物アドプト制度 ジャガー・スポンサーズ

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自然保護室(野生生物)、TRAFFIC
岡元 友実子

獣医学修士(ソウル大学)/ 学芸員 / IUCN カワウソ専門家グループメンバー
学部から大学院に至るまで、野生動物について専門的に学ぶ。修了後、上野動物園など日本および台湾での動物園勤務を経て、2021年WWFジャパン入局。現在はペットプロジェクトに関連した業界変容を担当。

学生時代に海外で野生のカワウソを見たことをきっかけに、大のカワウソ好きに。「二ホンカワウソ絶滅」の悲劇を二度と起こしてはならない!の決意を胸に日々野生動物保全のため奮闘中。特技は語学(英語・中国語・韓国語)。

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WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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