この字はなんという字でしょう?(2)


前回のクマに続いて、漢字のクイズです。
今回は鳥です。正解は「ツル」。

「鶴」は、紀元前二千年以上の昔から、中国では千年を生き、さまざまな瑞兆(めでたい兆し)を示す、神さまや仙人の乗る鳥とされてきました。
鳳凰や孔雀といった、半ば空想上の鳥たちとも肩を並べる、格別の鳥といえます。

鶴は形容詞にもなっており、鶴のように「立つ」「歩む」「舞う」、これらは、いずれも典雅で気高い様を喩える言葉です。

これらのたとえも、「鶴」という文字が、「隺」という「上がる、高く至る、高い志」といった意味を持つ字と、「鳥」の字の組み合わせであることと、関係があるのかもしれません。

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日本でも「鶴」という字は、人の名前や地名でも使われる、馴染み深い文字です。それはおそらく、毎年季節になると飛来する、高貴なツルたちの姿が、各地で見られたからに違いありません。

秋風が吹く頃、そろそろシベリアから渡ってくる、ツルたちの第一陣の姿が、日本でも見られるかもしれません。

 

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自然保護室(コンサベーションコミュニケーション グループ長)
三間 淳吉

学士(芸術学)。事務局でのボランティアを経て、1997年から広報スタッフとして活動に参加。国内外の環境問題と、保全活動の動向・変遷を追いつつ、各種出版物、ウェブサイト、SNSなどの編集や制作、運用管理を担当。これまで100種以上の世界の絶滅危惧種について記事を執筆。「人と自然のかかわり方」の探求は、ライフワークの一つ。

虫や鳥、魚たちの姿を追って45年。生きものの魅力に触れたことがきっかけで、気が付けばこの30年は、環境問題を追いかけていました。自然を壊すのは人。守ろうとするのも人。生きものたちの生きざまに学びながら、謙虚な気持ちで自然を未来に引き継いでいきたいと願っています。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
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