自然保護の現場でがんばる人たちと、国境を超えた協力
2011/08/01
自然保護室の東梅です。
事務局で定期的に開催している昼休みの「海洋ゼミ」で、「黄海エコリージョン支援プロジェクト」のお話をさせてもらいました。
黄海は中国、韓国、北朝鮮に面した大陸棚の海で、豊かな漁場であると同時に、豊かな沿岸の自然に恵まれた、生き物の宝庫でもあります。
ここに産する魚介類は、日本も多く輸入しており、私たちの暮らしにもかかわりの深い海といえるでしょう。
私が長年担当してきた、黄海エコリージョン支援プロジェクトは、黄海沿岸の中で、特に重要な自然が残る地域の環境保全活動を支援する取り組みです。
特徴は、WWFのような環境保全団体と、プロジェクトスポンサーであるパナソニック株式会社のような企業、そして地元の住民の方々や、地方行政、さまざまな生物の研究者の方々が、連携・協力して進める、活動のスタイルにあります。
「ゼミ」ではその仕組みを紹介しつつ、特に、黄海の現地で私が何度もお会いした、中国の若い大学生たちの環境保全活動の様子をお話ししました。
中国は環境問題については意識の低い国と思われているかもしれませんが、実際に現場に赴いてみると、高い志をもち、懸命に保全活動に取り組む、たくさんの人たちに出会います。
開発優先で自然が失われている中国にあって、活動はさまざまな困難を強いられますが、それでも、こうした人たちの頑張りに接すると、いつも希望がわいてくるのを感じます。
地球の環境は、特定の国や人だけのものではなく、その恩恵を受けているより多くの人や、未来の世代の人たちのものでもあります。
守ってゆく取り組みを、国境を越えた連携を力として、これからも続けてゆきたいと思います。