【動画あり】10月23日は『世界ユキヒョウの日』でした!


その名前のとおり灰色がかった白く美しい毛皮を持ち、ヒマラヤから中央アジアにかけて連なる山岳地帯に生息するユキヒョウは、世界で最も高地に生息するネコ科の野生動物です。

昨日、10月23日は、キルギス共和国の首都ビシュケクで「世界ユキヒョウ保護フォーラム」が開催されてから1年を迎えた 2014年の同日に「世界ユキヒョウの日」として定められました。

ユキヒョウの現在の推定個体数は最大でも6,390頭とされ、美しい毛皮を狙った密猟や地球温暖化によって絶滅の危機が心配されています。

2017年、近年の保護活動の成果や調査の結果を受け、IUCNのレッドリストにおける絶滅の危機レベルがEN(絶滅危惧種)からVU(危急種)へランクが下がりましたが、まだ絶滅の危機を脱したわけではありません。

生息地である山岳地帯の高山帯で顕著化している気候変動の影響は、植生の変化や森林限界の上昇を招く恐れがあると言われています。近年の調査の結果では、このまま何も気候変動対策を講じなければユキヒョウの生息地が2070年には75%、特にネパールではその影響が大きく、82%も失われてしまう恐れがあることが分かってきました。

こういった危機からユキヒョウを救うべく、2017年8月にビシュケクで開催されていた世界ユキヒョウ保護フォーラムでは、ユキヒョウ生息国としてネパールが「Climate-smart Snow Leopard Landscape Management Plan(適切な気候変動対策下でのユキヒョウ生息地管理計画)」を先駆的な取り組みとして発表をしました。

ユキヒョウは、このような急こう配の山を駆け回るのに適した太い手足を長い尻尾を持っています。

これは、気候変動の影響、経済情勢や地理学的分析などの科学的な観点から、2017年から2026年まで10年かけてユキヒョウ生息地の包括的な保護管理活動を行うという壮大な計画です。

「幻の動物」を本当の幻にしないためにも、保護区の管理や、地域社会へ支援、普及啓発、そして地球温暖化対策など国境を越えた活動はこれからも続きます!(広報:山本)

赤外線カメラ(カメラトラップ)を取り付けるレンジャーたち

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WWFジャパン ブランド・コミュニケーション室 メディア グループ長
山本 亜沙美

大学時代の専攻していた海洋生物学をきっかけに、絶滅危惧種や環境保全活動に興味を持ち始める。2005年卒業後、米セントラルフロリダ大学院にて生物学を学び、2007年に卒業。卒業後、航空会社にて運行管理のオペレーション業務に携わった後、2010年にWWFジャパン自然保護室アシスタントとして入局。2013年より広報・プレス担当として、取材対応、記者発表などをはじめとしたメディアリレーション、イベント企画・運営などに携わる。2018年7月からメディアグループ長として、広報全般・WWFジャパンのブランドコミュニケーションを担当する。

海洋生物学が専門のリケジョな広報プレス担当です。人の心に響くものはいつの時代も変わらずですが、今は伝える手法が多様化しつつあります。情報のトレンドを追いかけ、常に一歩引いた視点で物事を見るように心がけています。休みがあればスクーバ&スキンダイビングをしにどこかの島に行っています♪

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